石炭を運び、市民を乗せ 大牟田を牽引した炭鉱電車の映像作品が完成

映像作品「紅い恋人」に登場する炭鉱電車(提供:三井化学)

 三池炭鉱や三井化学の専用鉄道として、福岡県大牟田市などで100年以上にわたって活躍し、今年5月に引退した「炭鉱電車」の記録を残す映像作品が完成しました。

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ありがとう炭鉱電車

 映像は「紅(あか)い恋人」(11分2秒)と「炭鉱電車の一日」(13分20秒)の2本。三井化学の「ありがとう炭鉱電車プロジェクト」の一環で制作されました。


 大牟田市を舞台にした映画「いのちスケッチ」の瀬木直貴監督が3月から約半年をかけ、運転士を務めた元炭鉱マンや沿線住民ら24人にインタビューするなどして完成させました。


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三井化学で完成式典

 完成した作品を披露し、大牟田市などへ贈呈する式典が9月27日、三井化学大牟田工場で開かれました。石炭輸送の様子や運転席から見える風景などの映像を、大牟田市や三井化学の関係者ら約40人が鑑賞しました。


 大牟田市の関好孝市長は「大牟田の発展を記録してもらった」と感謝を伝え、瀬木監督は「大牟田の風景に溶け込み、市民の人生の一部だった炭鉱電車の姿を感じ取ってほしい」と話しました。


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記念本の販売も検討

 三井化学の専用鉄道が今年5月に廃止され、炭鉱電車も引退しました。「ラストラン」は新型コロナウイルスや豪雨被害で見送られましたが、映像作品は予定通り完成させることができました。


市民の生活の一部だった炭鉱電車(提供:三井化学)

 炭鉱電車の雄姿を収めた2本の作品は、YouTubeで公開しています。このほか、作品のDVDを付けた記念本500部を作り、一部の一般販売を検討しています。問い合わせは三井化学(03-6253-2100)へ。


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