地産地消で道路舗装 大牟田市で「廃食油」活用プロジェクト

廃食油を利活用するプロジェクトをPRする関係者

 福岡県大牟田市で、一般家庭や飲食店などから出された廃食油で製造したアスファルト合材が、道路舗装に活用されています。二酸化炭素(CO2​)削減にもつながる「地産地消の道路舗装」として、事業に関わるアスファルトプラントメーカー・田中鉄工(佐賀県基山町)や市の関係者らが8月29日、市内でプロジェクトの概要を発表しました。

CO2​排出削減に期待

 事業は、「ロード(道路)」と「ローカル(地域)」を組み合わせて「ロードカルSDGsプロジェクト」と名付けています。2024年2月に始まり、「ゼロカーボンシティ」を目指す大牟田市は、長崎県大村市、北海道小樽市に続いて全国3か所目とのことです。


プロジェクト内容を説明する陣内さん


 田中鉄工によると、国内の一般家庭から年間約10万トンの廃食油が排出され、その9割超は凝固剤で固めるなどして焼却処分されています。プロジェクトでは、廃棄せずに回収・精製し、重油や軽油に代わるバイオマス燃料として、アスファルト合材の製造に有効活用し、CO2​の排出削減を図ります。

小売店に回収ボックス

 大牟田市では24年10月から、プロジェクトの連携企業によって廃食油を用いたアスファルト合材製造がスタート。25年7月までに市内を中心に総延長約17キロの舗装に活用したそうです。


廃食油を活用して製造されたアスファルト合材で舗装された道路


 市内のスーパー・マルミヤストアの大牟田店と大牟田南店、グリーンコープ生協ふくおか上官店、イオンモール大牟田の計4店舗には廃食油の回収ボックスを設置しています。今後、回収拠点を増やしながらプロジェクトを進めていく方針です。


スーパーなどに置かれている廃食油の回収ボックス


 発表会では関好孝・大牟田市長が「廃食油の回収などを市民に周知して、ごみの減量化・資源化がさらに進むことを期待しています」とあいさつ。プロジェクト代表で田中鉄工の陣内太さんは「化石燃料使用量の削減などにもつながるプロジェクトを大牟田から広めたい」と力を込めました。


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