海外の観光客を大牟田に!炭鉱をイメージした新ホテルが開業

炭鉱内部をイメージしたホテルのロビー
記事 INDEX
- カラオケ店ビルを全面改装
- 「にぎやかな憩いの場に!」
- 国際交流事業者も集客協力
福岡県大牟田市大正町に「MONOMINA HOTEL Stn.1(ステーション1)」が完成し、7月24日のオープンを前に記念式典が開かれた。一帯は炭鉱産業の隆盛期に栄えたが閉山後は衰退傾向が続いており、関係者らは「地元に愛され、海外からのインバウンドも誘致して大牟田を元気にする起爆剤にしたい」と意気込んでいる。
カラオケ店ビルを全面改装
ホテルは、トラック運送などを手がける同市の白石自動車(白石政嗣社長)が、市内最大規模のカラオケ店だったビルを全面的に改装した。大牟田駅から徒歩10分、西鉄新栄町駅から同8分の繁華街にあり、「魅力的で大牟田の歴史や文化を感じさせるシティーホテルがあれば、まちなかのイメージが変わる」との思いを込めた。
客室は2~6階までの計31室。いずれもダブルベッドを置き、シャワールームなどを備えている。玄関と1階ロビーは、世界文化遺産の構成資産・三池炭鉱宮原坑の坑道をイメージしたデザインで、天井などにれんがを使用。市街地と有明海を挟んだ長崎県島原半島の夜景を写した長さ約7メートルの写真パネルも掲げている。
「にぎやかな憩いの場に!」
三池炭鉱は明治から昭和時代まで日本最大規模の炭鉱で、大牟田は国際都市だった。同社は大牟田活性化に向け、2024年4月には、石炭運搬に使われた機関車の展示施設「炭鉱電車ステーションゼロ」を整備した。
関好孝市長は15日の完成式典で「ここには大牟田の魅力と歴史が詰まっている。再びにぎやかで憩いの場となるよう一緒に取り組みたい」と期待を込めた。式典後、白石社長は「食事の提供はせず、地元飲食店やスナックと連携してマップを作り、宿泊客に提供したい。地域を盛り上げながら、活性化に向けた次の取り組みも考えていきたい」と語った。
国際交流事業者も集客協力
集客にはインバウンド事業支援や国際交流イベントなどの企画を行う佐賀市の「Sagan Navi」も協力しており、北村莎莎(しゃしゃ)代表取締役は「今月末には中国上海から約20人の団体が宿泊する。近くに佐賀空港があり、有明海沿岸道路を使えば大牟田は遠くない。市内外の魅力を知ってもらい、ゴルフやテニスなどスポーツイベントも絡めて集客につなげたい」と話していた。