【長崎】長崎南北幹線道路・茂里町ー滑石の整備が本格化
長崎県が長崎市ー時津町間で計画している高規格道路「長崎南北幹線道路」で、同市中心部を通る同市茂里町ー滑石工区の事業が本格化する。県と長崎市は、整備の推進に向けた基本協定を締結し、建設予定地にある民有地の用地取得などで協力する。県は2036年度の開通を目指している。
2036年度の開通目指す
長崎南北幹線道路は、長崎市田上から時津町野田郷の約15キロを結ぶ高規格道路。04年に長崎市田上―新地町間の「ながさき出島道路」(4.4キロ)、10年に同市元船町―茂里町間の浦上川線(2.7キロ)が供用を開始したが、約50%の区間は未整備となっている。
茂里町―滑石工区は、同市松山町の平和公園内を高架道路で浦上川沿いに北上し、岩屋山周辺からトンネルを通って滑石方面へと向かう約5.3キロの区間。国道206号の渋滞緩和や事故・災害時の迂回(うかい)路としての活用が想定されている。総事業費は、約685億円が見込まれている。
同工区は22年度に事業が開始され、測量や設計を経て、今年6月に国が事業を認可した。事業の実施に伴い、スポーツ施設が集まる平和公園の西地区では、陸上競技場やプールが再配置されることになった。
着工に向けて約2万7000平方メートルの用地取得が必要で、関係者ら約300人と円滑に交渉を進めるため、長崎市と協定を結ぶことにした。
協定書では、用地取得や地元への説明で相互に協力することを定めた。10月に県庁で行われた締結式では、大石賢吾知事と鈴木史朗市長が協定書に署名して握手を交わした。大石知事は「課題も多いが、力を合わせて計画的に進めていきたい」と述べ、鈴木市長は「市民から一刻も早い完成を求める声が寄せられている。しっかりと連携して取り組んでいく」と力を込めた。
県は、西彼杵半島を通って佐世保市と時津町を結ぶ「西彼杵道路」(約46キロ)の整備も進めている。二つの高規格道路が完成すると、長崎―佐世保間の所要時間は、長崎自動車道を経由した場合と比べ20分以上短い54分に短縮されるという。




