映画「オオムタアツシの青春」 ロケの店舗がにぎわいの場に!

ダイニングバー「月と夕焼け」

記事 INDEX

  • セットから実在の店へ
  • 壁にポスターやサイン
  • 「月と夕焼け」のまちで

 福岡県大牟田市を舞台にした映画「オオムタアツシの青春」で、撮影セットとして使用された空き店舗を改修して、春から営業を始めたダイニングバー「月と夕焼け」が、市民らで連日にぎわっています。

セットから実在の店へ


 「将来的には写真家の個展などギャラリーとしても活用できれば」――。8月上旬、映画の監督を務めた瀬木直貴さん(62)は店のカウンターで笑顔を見せました。


談笑する瀬木さん(左)と吉田さん


 ダイニングバーは市中心部の新銀座商店街にあります。映画には洋菓子店「月と夕焼け」として登場。瀬木さんと、メイキング映像の撮影などを担当した同市在住のカメラマン・吉田哲也さん(52)らサポーターが「大牟田を元気にしたい」とセットの活用を計画し、作品の雰囲気をとどめながら、実在する店舗へと4月に再生させました。


商店街を照らす店の明かり


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壁にポスターやサイン


 店の壁には撮影風景の写真パネルやキャストらのサインが並んでいるほか、作中でキャストが使ったミトンなどの‟お宝"もあり、映画の世界にどっぷりと浸れます。


撮影風景の写真やキャストが使用したミトンなどが店内に


 開店当初、肉料理が中心だったメニューには「おつまみ系」も加わり、カレーやパスタなどを含め全33種類に。ドリンク類も充実しています。キャスト陣やエキストラの人たちも度々訪れるそうで、店長の吉田さんは「大牟田で唯一、芸能人と飲める店ですね」と笑います。


自慢の肉料理


「月と夕焼け」のまちで

 大牟田市動物園を題材とした「いのちスケッチ」(2019年公開)に続いて、同市を舞台にした2作目の映画を撮った瀬木さんは「大牟田は文化や経済、グルメなどに"厚み"がある。前作で描ききれなかった題材を今作で表現しました」と語ります。


 店名の「月と夕焼け」も、前作のロケハンを行っていた際、有明海に沈む夕日を眺めていた瀬木さんがふと振り返ると空に月が浮かんでいたことが印象に残り、「満月と夕日が同時に見られるまち」というフレーズを温めていたそうです。


有明海に沈む夕日


 瀬木さんと吉田さんは、スクリーンから現実世界へ飛び出した店が「大牟田の新しい文化発信の拠点になればうれしいですね」と口をそろえます。

 営業は19時~24時で日曜定休。問い合わせは同店(090-4342-0328)へ。

9月19日から先行上映


 「オオムタアツシの青春」は2024年7~8月に大牟田市内各地で撮影。念願の洋菓子店オープンが危機を迎えた女性、過去を隠して大牟田にやって来た青年らが、ひたむきに生きる難病の少女との出会いから、変わっていく姿を描きます。筧美和子さんが主演を務め、同市出身の林田麻里さん、大川市出身の陣内孝則さんらが出演します。


映画の撮影風景の一コマ


 映画は9月19日に福岡県内で先行上映が始まり、26日から全国公開されます。福岡県内では、▽セントラルシネマ大牟田(大牟田市)▽ユナイテッド・シネマ 福岡ももち(福岡市)▽ローソン・ユナイテッドシネマ 小倉(北九州市)などで上映予定です。


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