未利用魚をおいしく食べて三方良し 福岡のベンチャー企業が水産業界の課題に挑戦

"もったいない"から生まれた「Fishlle!」(提供:ベンナーズ)

 福岡市内のベンチャー企業「ベンナーズ」が、未利用魚をおいしくいただくミールキット「Fishlle!(フィシュル)」を商品化しました。傷や形の悪さなどから市場に出回らず、廃棄されてしまう魚を有効に利用し、漁師、消費者、環境の「三方良し」を実現することが目標だそうです。


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季節の魚を手軽においしく

 フィシュルは、水揚げされた魚を生食や簡単な調理で手軽に食べられるようにし、パックに小分けした加工品です。カルパッチョ、漬け、西京焼きなど味のバリエーションは5種類。魚種は季節や漁の成果で変わり、その魚に合う味付けを施します。


生食用や加熱用などパックに小分けにされた商品(提供:ベンナーズ)

 九州で捕れた魚をその日に加工し、瞬間凍結するため、鮮度には自信を持っています。クラウドファンディングで調達した資金で加工場も整備しました。お試し価格は10パックで4000円程度。詰め合わせを月に1回届ける定期便もあります。


調理に手間がかからないよう工夫されている(提供:ベンナーズ)


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"もったいない"に価値を

 水揚げされた魚の30~40%は「傷がある」「形が悪い」などの理由で流通せず、廃棄されるものも多いとされます。この"もったいない"に価値を与えようという取り組みが、フィシュルとして形になりました。

 商品を開発したベンナーズは2018年にできた新しい会社。魚の売り手と買い手のマッチングを行うウェブサービス「マリニティ」の企画・運営などを行っています。


「水産業界の課題を解決したい」と語る井口社長

 井口剛志社長は、祖父母が水産業界で働いていたこともあり、魚を身近に感じる環境で育ってきました。「水産業界の課題を解決したい」という思いから起業を決意し、未利用魚の問題にもずっと心を痛めていたといいます。

漁師、消費者、環境にGood!

 水産庁の統計によると、国内の海面漁業の生産量(養殖を除く)は2019年で約320万トン。乱獲などの影響もあって、漁獲量の減少傾向が続いています。


水揚げされる魚の30~40%は未利用魚とされる(提供:ベンナーズ)

 井口社長は「未利用魚の活用が広がれば、捕る魚の量が減って生態系を保つことにもつながる。漁師の収入は増え、消費者は安くておいしい魚を食べられます。フィシュルを通して、"三方良し"を実現したいです」と話しています。


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