行橋の老舗ミシン販売店が歴史に幕を下ろす 店に残る年代物を資料館に寄贈へ
大正時代に創業した福岡県行橋市中央の老舗ミシン販売店「米山商会」が11月末で閉店し、店で所有する年代物のミシンを行橋市歴史資料館に寄贈することを決めました。店を営む3代目の米山信雄さん、敏子さん夫婦は「たくさんの人に見てもらえたらうれしい」と話しています。
店は大正時代に八屋町(現在の豊前市)で創業。1934年に行橋町(現在の行橋市)に移り、それから86年間、営業を続けてきました。店の前を通る道路の拡幅工事で店舗を移転する必要があり、後継者もいないことなどから閉店を決めました。
店には、創業者の栄助さん、2代目の辰次さんの時代に収集した年代物のミシンが6台あり、古いカメラや時計などとともに店内の展示コーナーで公開してきました。
6台はいずれも右側のハンドルを回転させて針を動かす手回し式。江戸時代のものとみられるミシンもあり、これらを寄贈する予定といいます。
信雄さんは「もう少し続けたかったが仕方がない。ミシンの歴史を伝える資料として寄贈品を活用してほしい」と期待しています。(文:高松秀明 写真:大野博昭)