カーボンニュートラルな街にするには?宗像国際環境会議プレイベントで学生が議論
カーボンニュートラルな街の実現に向けて議論を交わす「未来を創る若者会議」が10月8日、福岡県宗像市の宗像大社清明殿で開かれました。26日に開幕する宗像国際環境会議のプレイベントとして開かれ、県内の大学生20人が宗像市の実情を踏まえたこれからの街づくりを話し合いました。
ゼロカーボンを目指して
コーディネーターは、自然環境問題に取り組む大学生組織「一般社団法人maiPLA」が務めました。maiPLAは、共同代表の森心太さんと宮崎幸汰さんが高校2年生だった2018年、地元・五島(長崎県)の漂着ごみ問題の深刻さに直面して発足した団体。宗像国際環境会議の学生セッションを担当しています。この日の会議には、宗像市や西部ガスなどからアドバイザーも参加しました。
進行役の森さんは開会にあたり、「未来を担っていく若者が輪になって話すことが重要。どのような議論になるかとても楽しみです」とあいさつ。ディスカッションに先立って、アドバイザーから宗像市で進められている取り組みについて説明がありました。
宗像市脱炭素社会推進室の寺田健さんは、同市が2050年までに「ゼロカーボンシティ」の実現を目指していることを紹介。脱炭素という枠組みの中で、地域課題の解決に取り組んでいく方針であることを話しました。
西部ガスまちづくりソリューショングループの成富倫子さんは、宗像市との連携による日の里団地再生プロジェクト「さとづくり48」について、地域に密着して「これから先の50年」を考えた活動に取り組んでいることを紹介しました。
若者の発信力に期待
学生とアドバイザーによるトークセッションは、「カーボンニュートラルに向けて何ができるのか」という視点で意見が交わされました。
「主体的に関わるにはどうすればよいか」という学生側の問いに対して、アドバイザーからは若者の発信力に期待する声があがりました。セッションに加わったmaiPLAの宮崎さんは「学生はアイデアや志はあっても、人やお金といったリソースを動かすことが難しい。大きな規模で(取り組みを)されている企業や自治体と一緒に活動することが大事だと感じた」と話しました。
「何ができるか」を考える
会議の最後は、「カーボンニュートラルな街の実現に向けた提言文」をまとめるためのグループワークです。身の回りで炭素が排出される場面を書き出し、削減に向けて「個人でできること」「地域が一体となってできること」を話し合いました。
各グループからは、「過剰梱包を避ける」などライフスタイルに目を向けたものや、「ショッピング券などの特典が付くエコポイント制度の導入」といった地域ぐるみの方策などが発表されました。
参加した学生は「久しぶりの交流イベントで緊張しましたが、自分が勉強している領域とは異なる角度からの意見に触れられて刺激を受けました」と話していました。
宗像国際環境会議は、10月26~28日に宗像大社で開催されます。詳細は公式サイトで。