「ヒロシマ」心をつなぐ二人劇 柳川市で8月8日に上演

 被爆地・広島を舞台に、戦争で心に傷を負ったフランス人女性と日本人男性の交流を描く二人劇「ヒロシマ・モナムール」が8月8日、福岡県柳川市の市民文化会館ロビーで上演される。1959年公開の日仏合作映画を原作に、県内の教育関係者が脚本や出演を担う。出演者らは「2人の心情の変化を通じ、生きていることの素晴らしさ、未来への一歩を踏み出す勇気と希望を感じてほしい」と期待している。

未来へ踏み出す勇気と希望を

 柳川市民文化会館は、身近な距離で文化芸術の素晴らしさを堪能してもらおうと、演劇や朗読劇などをロビーで無料上演する「ロビー de パフォーマンス」事業に取り組んでいる。2025年のヘミングウェーの「老人と海」の朗読劇と、「ロミオとジュリエット」をモチーフにした創作演劇に続き、3作目となる。

 二人劇は、フランスのアラン・レネ監督の映画「ヒロシマ・モナムール(邦題・二十四時間の情事)」が原作。広島原爆から10年後の1955年の広島を舞台に、反戦映画の撮影で訪れたフランス人女優と日本人男性が一緒に過ごした1日を描く。

 柳川市の高校非常勤講師、大津陽一さん(62)が脚本と演出を担当。映画から俳優の語りの場面を抜き出し、第2次世界大戦中にナチスの青年将校と恋仲になり、戦後に迫害を受けた女性と、原爆で肉親を失った男性がお互いの体験を語り合う約30分間の劇にした。


二人劇の脚本を担当した大津さん(右)と主役の大庭さん


 女性役はフランス出身で西南学院大外国語学部のロランス・シュバリエ教授、男性役は同市の県立高教諭の大庭聖嗣さん(43)が演じる。映画とは違い、それぞれがフランス語と日本語で話す。フランス語はモニターに和訳を流し、言葉の響きを損なわないようにするという。


 大庭さんは演劇の経験がなく、同会館の担当者に「主役のイメージにぴったり」と誘われての出演となった。7月29日の記者会見で「原作が好きだったので引き受けた。本来、わかり合えるはずのない2人の心の交流が少しでも伝われば」と抱負を語った。

 大津さんは「悲しい記憶が希望へと変わっていくことを信じ、脚色と演出をした」と説明。シュバリエさんは「映画の脚本は大幅に改訂されているが、おかげで当時は十分に理解できなかった映画のテーマについて理解することができた」としている。

 入場無料。開演は午後4時。問い合わせは柳川市民文化会館(0944-73-7777))へ。


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