亡き夫が愛した月琴の調べを 岡垣町と八幡西区で演奏会

 中国の弦楽器「月琴(げっきん)」の魅力を伝える「明清楽(みんしんがく)演奏会」が11月7日に福岡県岡垣町、8日に北九州市八幡西区で開かれる。亡き夫が愛した月琴を役立てたいという福岡市の長谷川かんいさん(55)の思いが開催につながった。(饒波あゆみ)


亡き夫の月琴を手にする長谷川さんら


「関心を持つ人を広げたい」


 月琴は中国の明清代の音楽「明清楽」を奏でる代表的な4弦の楽器。満月のように丸い形と、2弦ずつ重ねて奏でる優しい音色が特徴で、お茶会などで演奏されたという。明清楽研究者で、東京音楽大付属民族音楽研究所(東京)講師の稲見恵七さん(74)によると、日本では幕末から明治時代に流行した。

 演奏会には稲見さんやその教え子のほか、北九州市在住の二胡奏者の帯金真理子さん(7日のみ)ら約10人が出演。明清楽の恋愛歌「九連環」や日本の曲「手のひらを太陽に」など約20曲を、月琴を中心に笛などとの合奏で披露する。

 開催のきっかけとなった長谷川さんは中国出身。会社員だった夫の敏幸さんは中国の文化や芸術を好み、毎日のように自宅で月琴演奏を楽しんでいたという。

 しかし敏幸さんは2022年、68歳で脳腫瘍で亡くなった。腫瘍が見つかって1年という短い期間で、長谷川さんは悲しみのあまり夫の部屋に入れなかった。

 3年ほどたち、部屋にあった月琴を目にして「そのままにしておくのはもったいない」と思い、知人に相談。その知人が所属するNPO法人「老いを支える北九州家族の会」(戸畑区)の主催で、演奏会を開くことになった。夫の知人だった稲見さんにも協力を仰いだところ快諾してくれた。稲見さんは「古くから伝わるこの楽器を次世代につなぐ使命がある」と語る。

 演奏会では、来場者が敏幸さんの月琴に触れられる時間も設ける。長谷川さんは「夫が好きだった月琴に関心を持つ人を広げたい」と話している。

 7日は岡垣町の岡垣サンリーアイ、8日は八幡西区の市立子どもの館で、いずれも午後2時開演。入場料は高校生以上500円、小中学生200円、幼児無料。問い合わせは同会(093-882-5599)へ。


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