救急車更新へクラウドファンディング 済生会大牟田病院

 福岡県大牟田市の済生会大牟田病院(196床)は、老朽化した救急車を買い替えるため、1300万円を目標にクラウドファンディング(CF)で寄付を募っている。2020年7月の豪雨で被災した病棟の復旧や、新型コロナウイルス対策などの費用がかさみ、救急車の買い替え資金の調達が難しくなったためで、広く協力を呼びかけている。

豪雨復旧やコロナで資金難

 同病院は、患者を他の医療機関との間で転院搬送する際に使う救急車1台を所有しているが、導入から20年以上がたち、老朽化が目立つ。装備が古いため軽症患者の搬送にしか使えず、年間の搬送件数約100~110件のうち約半数は、市消防本部に依頼する状況が続いているという。

 救急車の更新が急務だが、20年7月の豪雨災害で病棟1階が浸水して補修工事が必要になったことに加え、長引くコロナ禍で感染予防対策費が増加。新しい救急車を購入する資金の確保が厳しくなり、CFで寄付を募ることにした。

「新たな救急車で足になる」

 CFのプロジェクト名は「困った人に手をさしのべて、新たな救急車で足になる」。CFサイト「レディーフォー」で4月28日午後11時まで寄付を受け付けている。寄付者には金額に応じて感謝状を贈ったり、希望者は病院のホームページに氏名を掲載したりする。3月16日現在の寄付額は300万円を超えた。

 同病院は救急車のほか、看護師が同乗するナースカーの購入も検討しており、「市消防本部の救急車の負担を少しでも減らすとともに、地域の病院間の連携を強化したい」と協力を呼びかけている。

 同病院によると、済生会長崎病院が21年に救急車の買い替え資金をCFで募ったところ、約1590万円が寄せられ、購入が実現したという。


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