山を登り下りするユニークな生態で知られ、福岡県太宰府市の市民遺産に認定されている宝満山のヒキガエルが、今年も産卵をする麓の池を目指して下山を始めた。
山を登り下りするカエル
「宝満山ヒキガエルを守る会」によると、カエルは例年1月中旬から2月頃、山から下り、麓の池で産卵する。今年は1月18日頃から池に向かう姿が確認できるようになった。池に近づいてくると雄が雌の背中に乗り、一緒に移動する。
例年5月頃には、池で誕生した1万~10万匹の子ガエルが標高差約600メートル、約2.5キロの道のりを山頂へ向かう。
カエルを捕獲する人がいるという情報が昨年、同会に寄せられたといい、会員の渡辺利久男さん(81)は「ヒキガエルは宝満山の自然の象徴。静かに見守ってほしい」と話している。