すごいぞ！「はにわ」　九博で埴輪の魅力に迫る特別展を開催

　「埴輪(はにわ)」の魅力に迫る特別展「はにわ」が、九州国立博物館(福岡県太宰府市)で1月21日～5月11日に開催されます。会場には、全国各地の出土品から選び抜いた約120点が並び、作られた時代背景や特徴などを紹介します。埴輪の造形美も必見で、素朴で“ゆる～く”愛らしい表情なども楽しめます。

当時の生活をのぞく

　特別展は、2024年10～12月に東京国立博物館で30万人以上を集客した人気の展示です。今回は九博の開館20周年に合わせ、開催されることになりました。

---

---

　埴輪が出現したのは1750年ほど前とされています。王が眠る墓の副葬品で、人や動物などをかたどった素焼きの像を古墳の周囲に並べていました。

　古墳時代は約350年続いたとされ、出土した北限は岩手、南限は鹿児島と広範囲に及んでいます。それぞれの地域の風土を色濃く映し、技術力や権力者の力関係などによって、姿形や表現方法に違いが生まれました。

---

　展示は五つのゾーンに分かれ、古墳時代を解説する「王の登場」、ヤマト王権の大王が眠る墓の埴輪にスポットを当てた「大王の埴輪」、高い技術や個性的な作品を紹介する「埴輪の造形」といった項目で紹介します。埴輪を通して、当時の人々の生活の様子を垣間見ることができるそうです。

---

兄弟5体が勢ぞろい

　数ある展示品の中で、見どころの一つが、鉄製の甲冑(かっちゅう)を着けた武人を模した5体の「挂甲(けいこう)の武人」です。

---

---

　うち1体は東博が所蔵する国宝で、歴史的価値や造形の美しさが高い評価を受けています。他館が所蔵するほかの4体も、顔がよく似ています。5体は同じ工房で製作されたと考えられ、いずれも群馬県内で出土しました。中にはアメリカ・シアトル美術館から来日した“兄弟”もおり、一堂に会するのはこの特別展だけです。

　独特な“ゆるさ”にも注目です。埴輪は、服や顔、しぐさなどを簡略化した丸みのあるフォルムが特徴で、世界的にも珍しい造形として知られます。会場内は一部の展示を除き、撮影可能です。埴輪のかわいらしい表情を写真に収めるのも楽しそうです。

---

---

　担当者は「多様な姿や表情の人物埴輪のほか、舟や椅子、猿や魚など、あらゆるものが表現されたことを知ってほしい」と話します。

埴輪コラボにも注目

　期間中は特別展を鑑賞する以外にも、様々なコラボ企画を楽しめます。

ランチやスイーツ！

　九博のエントランスホールにある「Mカフェ」では、特別メニューを提供。軽食では、かわいらしい埴輪が刻印されたサンドイッチ（税込み850円から)を日替わりで用意。味はベーコンレタス、メンチカツなど5種類です。スイーツは、東博が所蔵する「埴輪　踊る人々」をモチーフにした「はにわチョコレート羊羹(ようかん)」(650円)や「はにわどら焼き」（400円）を味わえます。

---

---

　また、九博の敷地内にあるレストラン「いい乃じ」では、古墳をイメージした「お子さま古墳カレー」（ジュース付き、1400円）や、古墳時代の人々が食べていたであろう木の実を使ったサイダーや焼酎などのドリンクを用意しています。

グッズ付き前売り券

　展示に関連したグッズ付きの前売り券もあります。人気キャラクター「すみっコぐらし」とコラボしたコンプリートセット券(1万5000円)は、埴輪風の衣装を着けた手のひらサイズのオリジナルぬいぐるみ8種類がもらえます。

---

---

　このほか、人の姿をした埴輪にみられる古墳時代の男性の髪形「みずら」を模したカチューシャ付きのセット券(4820円)などもあります。

基調講演などの催し

　展示をより楽しめる無料イベントも予定されています。

　3月16日の14時～15時30分は、東博の主任研究員が「埴輪　挂甲の武人」の修理や調査研究について解説する記念講演会(要予約)があります。申し込みは専用フォームから。

　1月25日と2月1日の14～15時には、九博の研究員らによるリレー講座を開催。最新研究や動物埴輪のかわいらしさなどを”深掘り”します。申し込み不要で先着280人。

---

---

---

---