特別展「三国志」が九博で開幕 リアルな世界観を体感


記事 INDEX

  • 日本初公開が展示品の8割
  • 最新の研究で分かったリアル三国志の世界
  • 漫画やゲームとのコラボグッズも多数販売

 特別展「三国志」が10月1日、太宰府市の九州国立博物館で始まりました。魏の基礎をつくった英傑・曹操の墓が見つかるなど、考古学分野で研究が進む三国志。展示品の約8割が日本初公開で、最新の研究を踏まえた「リアル三国志」の世界が楽しめます。


advertisement

個性豊かな三国志の英傑たち

 三国志は2~3世紀の古代中国、漢王朝が力を失い、新たな勢力が覇権を争った群雄割拠の時代を描いた歴史物語です。正史『三国志』や小説『三国志演義』で伝えられ、親しまれてきました。2000年代以降は考古学調査が進み、新たな発見が相次いでいます。諸葛亮や劉備、関羽、曹操、孫権ら、三国志を彩る個性豊かな英傑たちは、小説や漫画、テレビゲームなどで多くの人を今も魅力し続けています。

 国内では、吉川英治の小説や横山光輝の漫画、NHKの人形劇などで広く知られ、人気を得ていきました。近年では、テレビゲーム『三國無双』シリーズなど、幅広い世代に愛されています。

展示品は8割が日本初公開


「魏武王」の銘文により曹操墓の決め手となった「石牌」(河南省文物考古研究院蔵)

 今回の特別展は、曹操墓の出土品など、展示品の約8割が日本初公開。曹操、劉備、孫権という三国の英傑のルーツをたどり、三国志時代では最大級とされる曹操墓を実寸で再現しています。考古学資料からは当時の社会がリアルに垣間見えます。


左手に太鼓を携えた芸人の「説唱俑」(重慶中国三峡博物館蔵)


後漢時代末期とされる墓から発掘された「儀仗俑」(甘粛省博物館蔵)


「獅子」。首に彫られた銘文には、後漢の都・洛陽で劉漢が制作したことが記されている(山東博物館蔵)


advertisement

漫画『三国志』の世界観も再現

 当時の戦闘が再現されたエリアには、約1000本の矢が展示されています。この装飾だけで2日間かかったそう。横山光輝の漫画『三国志』でもたびたび描かれてきた弓の雨が降る戦闘のシーン。実際に再現した迫力ある展示が見られます。


当時の戦闘を体感できるエリアには約1000本の矢が飛ぶ


この記事をシェアする