上毛町にビジネス拠点が誕生 個室やラウンジなど設ける

サテライトオフィスの外観

 福岡県上毛町が、県内外の企業などが入居するサテライトオフィス「THE THINK FACTORY, KOGE(ザ シンク ファクトリー コウゲ)」を同町下唐原に開設した。町内の素材を生かした商品開発に取り組む企業や起業を目指す人に事務所を提供して地域おこしにつなげる狙いがあり、町は「活性化のモデルをつくりたい」としている。

地域おこしのシンクタンクに

 施設は、ビール工場やレストランだった建物を改修した鉄骨2階建て約620平方メートル。デスクなどが備え付けられた個室8室(約8~13平方メートル)のほか、会員専用の固定席12席、フリーデスク28席、共用ラウンジなどを設けた。国の補助金を活用し、総事業費は約2億3500万円。


サテライトオフィスの固定席

 農産物など地元素材のブランド化に企業のアイデアや技術を活用しようと、地域おこしの「シンクタンク」(調査研究機関)を目指して命名した。4月に開業し、個室7室には関東を中心に建築設計、飲食、アウトドア関連などの7社が5年契約で入居。坪根秀介町長らがオフィスに関心を示した企業を訪問して整備の目的などを説明し、技術力があり、地元との連携に意欲的な企業を選定した。残り1室も現在交渉中という。


2階はフリーデスクなどが並ぶ

 東京のプロモーション会社「スクエアリング」は、地方創生プロジェクトを展開しようと施設に九州の事業拠点を開設。災害時の被災状況調査に役立てられるよう、全国の自治体職員を対象に町内でドローンスクールを開くことなどを構想し、地元雇用も予定する。

 石田翔太社長(30)は「社員が町内のイベントに参加するなどして住民とコミュニケーションを取りながら、高齢者や若者を対象としたサービスの提供にも取り組みたい」と意気込む。


サテライトオフィスで坪根町長(左)と話す石田社長

 町内の大池公園では、施設に入居した東京の建築設計事務所が担当する「ツリーハウス」型の宿泊施設の開業が計画されている。坪根町長は「オフィスに集う人々が化学反応を起こして成功モデルをつくってほしい」と期待する。

 賃料は個室が月3万3100円~3万8200円。固定席は月1万5000円、フリーデスクは1時間200円から。問い合わせはシンクファクトリー(0979-53-8100)へ。


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