嘉穂劇場「2031年度の再開を目標に」 諮問機関が素案

 休館中の福岡県飯塚市の芝居小屋「嘉穂劇場」について、活用を検討する市教育委員会の諮問機関は6月12日、劇場の改修・管理運営に関する計画の素案を明らかにした。劇場棟を保存する一方で、住宅棟や事務室棟などは撤去する方針を提示し、再開時期は「2031年度を目指す」ことを求めている。

 有識者らでつくる「市文化施設活用検討委員会」が諮問を受け、23年7月から議論。この日、市役所で第6回会合が開かれた。


嘉穂劇場 (2020年11月撮影)

 素案では、劇場棟は1000人程度(立ち見席含む)の収容を確保し、1、2階席に車いすスペースを設置するほか、バリアフリー化や遮音性能の改善にも留意した建築を提案。一方、劇場棟を残すには築約90年の住宅棟などを撤去しなければ建築基準法を満たせなくなり、「今後の活用が困難」との考えが示された。

 検討委はこの日の議論を踏まえ、7月中に市教委に計画案を答申する方針。改修には多額の費用が見込まれ、再開時期も含めて市側で検討が進められる見通し。


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