炭鉱坑内を体験できる展示室 鞍手町歴史民俗博物館に完成

2025.05.13

 旧産炭地の福岡県鞍手町に、炭鉱の坑内を体験できる石炭資料展示室が完成した。同町小牧に新設された町歴史民俗博物館別館内にあり、これまで同博物館本館などで紹介していた炭鉱関連の展示を充実させた。


人形で手掘り作業を再現した展示

 町内では明治時代から本格的に採炭が始まり、延べ159坑が掘られた。1971年に最後の炭鉱が閉山している。

坑内の暗さ再現

 同展示室では、炭鉱で働いていた人たちの証言に基づいて坑内の暗さを再現し、来館者はライトを借りて進む。採炭現場に向かう斜坑を模した通路には傾斜があり、労働者を運んだ「人車」を展示。また、「コヤマ」と呼ばれた小規模炭鉱での手掘りや、機械化された近代炭鉱の作業について、等身大の人形を使って坑内の様子を再現している。

 別館は2023年2月、本館の隣で着工。総床面積は約630平方メートルで、石炭資料展示室と文化財収蔵庫が入る。事業費は約4億円。

 5月7日に完成記念式典があり、岡崎邦博町長が「新たな観光や学びの場として、町の歴史と文化を広く知っていただきたい」とあいさつし、関係者がテープカットを行った。

 入館無料。休館日は月曜、祝日、第3日曜。問い合わせは同館(0949-42-3200)へ。


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