【長崎】諫早ウナギ 新幹線に商機 動画やご当地キャラでPR

 西九州新幹線(武雄温泉―長崎間、約66キロ)が9月23日に開業するのを見据え、停車駅が設置される長崎県諫早市で名物のウナギ料理をPRする動きが広がっている。「楽焼(らくやき)」と呼ばれる陶器にウナギのかば焼きを入れる料理などを福岡や関西の観光客らにアピールし、新幹線効果で静岡県や福岡県柳川市に負けない全国的な「ウナギどころ」として存在感を高めたい考えだ。

静岡、柳川と並ぶ全国区へ


 諫早市によると、市を流れる清流「本明川」では、江戸時代からウナギが盛んに捕れ、名物として近隣に知られていた。かば焼きやウナギのすしなどの料理が親しまれてきたという。


ウナギのかば焼きを楽焼に入れていく料理人。店の関係者も「楽焼うなぎ」の知名度向上に期待を寄せる(諫早市の「魚荘」で)


 戦後は「楽焼」にウナギのかば焼きを入れ、軽く蒸してから味わう食べ方が広がった。ほどよく蒸されて冷めにくく、とろけるような独特な舌触りになるのが特徴。市内には楽焼で提供するウナギ店が5店舗ほどあり、一部の愛好家は県外からも足しげく通うが、全国的にはあまり知られていないという。


女子高生に扮して

 新幹線開業が迫る中、同市は7月から公式ウェブサイトでウナギ料理を紹介する動画(約20秒)の配信を始めた。女子高校生に扮(ふん)した市の女性職員3人が、夏を楽しむための「作戦会議」を行う。海が一望できるJR長崎線・小長井駅や「結の浜マリンパーク」といった市内の人気スポット、楽焼に入ったウナギ料理が登場。「諫早の名産で夏を乗り切れ」と呼びかける。

 設定やロケ地は、ファストフード大手が今夏に放映したスイーツのコマーシャルを模している。同社の承諾を得た上で、スイーツをウナギに置き換えて制作した。


ウナギを食べる女性職員が登場する諫早市のPR動画の一場面(諫早市提供)

 市秘書広報課の福井香苗主任は「新幹線開業に合わせたタイミングで諫早のウナギ料理をアピールするには、知名度のあるコマーシャルを活用するのがいいと思った。ウナギ目当てで諫早に立ち寄る観光客を何とか増やして、市内への経済効果を拡大させたい」と語る。市は諫早駅ビル内にウナギ料理を紹介するタペストリーも掲げてPRする。

ウナギの「妖精」も

 市内のウナギ店も動き出した。同業者などでつくる「諫早うなぎ料理振興会」は西九州新幹線の開業日に、諫早駅ビルでウナギが入ったまんじゅうやおにぎりを販売するイベントを計画している。乗降客に諫早のウナギを味わってもらい、その魅力がさらに拡散されることを狙う。メンバーらが法被を着て駅前などでアピールする予定だ。


うないさん(うないさん隊のSNSから)


 ウナギの妖精という設定の地元キャラクター「うないさん」を支える市民ボランティア「うないさん隊」(約20人)の士気も上がる。小学生のランドセルカバーやおみくじのデザインに採用されるほどの人気で、隊員らは「開業を機に、諫早で下車する人たちにも愛される存在にしたい」と話す。


 官民挙げて盛り上がる動きに、同振興会会長で創業139年のウナギ店を経営する北御門孝廣さんは「西九州新幹線の開業は、諫早のウナギとそれに関わる人たちにとって絶好のチャンスだ。関係者の力を合わせ、ウナギと言えば静岡や柳川ではなく、諫早が連想されるくらいまでに知名度を上げたい」と意気込んでいる。


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