【長崎】赤字消せる島鉄ペン 経営難逆手に新商品

 赤インクだけの3色ボールペン「赤字ペン」や、「アカジンジャーシロップ 赤字deしょうが」など、経営難をネタにしたオリジナル商品で話題をつくってきた島原鉄道(長崎県島原市)が、ペンの付属ラバーでこすると書いた字が消せる「赤字フリクションペン」の販売を始めた。「赤字ペン」の第2弾だが、今回は「経営努力で消せる赤字は消し、黒字を目指す」との前向きなメッセージを込めた。


「赤字が消せる」が売りの「赤字フリクションペン」


 同社は、諫早駅(諫早市)から島原港駅(島原市)までの43.2キロで鉄道事業を運営。沿線地域の人口減少に加え、コロナ禍による観光客減少が経営に与える影響は深刻だ。


 2021年4月の乗客数は7万3210人で、コロナ禍前の19年4月(11万3428人)の6割程度に低迷。持ち直してきた今年7月は8万8663人で、コロナ禍前の19年同月(10万9962人)の8割程度の回復にとどまる。

 一方、明るい材料もある。観光企画列車「カフェトレイン」などが好調で、昨期の経常損失(約2億8000万円の赤字)は、前期(約4億2200万円の赤字)の約6割に圧縮された。「消せる赤字から消していこう」。それが現在の経営方針で、第2弾の赤字フリクションペンに手応えと期待を込めた。

超極細の芯は「経営状況」

 話題となった初代赤字ペンは20年11月の発売から累計1万本が売れるヒット商品に。今回の赤字フリクションペンも初代と同様、3本の軸先がすべて赤インクで、クリップ部分には同社の黄色い車両と社章があしらわれている。

 芯の太さはすべて超極細の0.38ミリで、「経営状況を表した」(同社)と自虐で売り出す軸はぶれていない。担当の営業統括部は「生まれ変わった赤字ペンには、初代以上の人気商品になってほしい」と願う。

 1本800円(税込み)。諫早、島原など同社の有人駅やオンラインショップで販売している。問い合わせは同部(0957-62-2263)へ。


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