【長崎】お魚バス停の人気が再燃 西海の4か所
長崎県西海市崎戸町に4か所ある「お魚バス停」が、整備から四半世紀の時を超え、インスタ映えスポットとして再び注目を集めている。かわいらしさや隠された「謎」が、多くの人をたぐり寄せる呼び水となっているようだ。
かわいらしさ、謎も呼び水に
お魚バス停は、1999年の大島大橋の開通を見据え、合併前の旧崎戸町が95~97年度に設置。「蛎の浦」「浅間町」「福浦」(以上蠣浦郷)、「今泊」(本郷)の4か所にあり、魚種は、市特産のアラカブが主体だ。
SNSでは、かわいらしさだけでなく、バス停に隠されているハートマークが話題に。「全て見つけられると願いがかなうかも」などの書き込みがある。市ふるさと資源推進課の担当者は「経緯は詳しく分からないが、ハートは設計にはなかった。施工業者の遊び心だったのでは」と推測する。
「なぜか鯛」
また、バス停4か所のうち、1か所が「マダイ」であることも謎を呼んでいる。「なぜ紛れているのか、詳しく分からない」と担当者。SNSでは「かわいいから許す」「シュールな雰囲気、大好き」などと、好意的な受け止めが広がっているようだ。
ちなみに、合併前の旧崎戸町の市街地だった「蛎の浦」に、2匹のアラカブが泳いでいるのは「かつて、子どもが多かったから」という。
バス停までは、長崎市から車で約1時間20分、佐世保市からは約1時間かかるが、バス停を目当てに多くの観光客が訪れている。バス停前では、ポーズを取って撮影したり、ツーリングのバイクと一緒に写真に納まったりする姿が見られる。
9月23日には西九州新幹線も開業した。市の担当者は「SNSの普及で人気が再燃しており、改めて魅力を発信していきたい」と力を込める。
スイーツでも発信
バス停は地元住民にも愛されている。
市内の人気店「お菓子のいわした」のオーナーシェフ岩下武士さんは、お魚バス停をイメージしたレアチーズケーキ(700円)を開発。2018年に限定販売したが、反響が大きく定番商品となった。岩下さんは「これからも古里の魅力をお菓子を通して発信したい」と話している。
諫早は「フルーツ」も
県内では、諫早市のフルーツバス停も人気だ。旧小長井町が1990年の長崎旅博覧会に合わせて設置。現在約15か所あり、お魚バス停と同様、休日には多くの観光客が訪れる人気スポットだ。
SNSでは、有明海やコスモスの花を絡めた写真などが投稿されている。西九州新幹線の開業に合わせて市や観光・経済界などは諫早駅ビルにタペストリーを掲げたり、SNSで紹介したりしてPRに力を入れている。