【宮崎】野球プロ球団発足へ 県初「宮崎サンシャインズ」

 野球の独立リーグ「ヤマエ久野九州アジアリーグ」に来春から、宮崎県内の球団が初参戦する。日本野球機構(NPB)入りを目指す若手選手のサポートや地域の活性化に向け、県内の若手経営者らが発足の準備を進めてきた球団「宮崎サンシャインズ」で、所属する選手約30人を選ぶトライアウトを今月始めた。


実戦形式のトライアウトに臨む参加者たち(西都市で)

来春、九州リーグに参戦

 同リーグは九州アジアプロ野球機構が運営し、今季は火の国サラマンダーズ(熊本市)、大分B―リングス(大分市)など3チームが所属し、熱戦を繰り広げた。来季はリーグ名を「ヤマエグループ九州アジアリーグ」に変更し、宮崎を加えた4チームが参加して3月18日に開幕する予定だ。

 宮崎サンシャインズは九州各地に独立リーグのチームが次々に生まれるなか、県内の野球関係者らの間で発足を希望する声が高まり、今年5月にできた「県民球団をつくる会」(代表=堀之内秀一郎・大淀開発専務取締役)が発足の準備を進めてきた。ヤマエ久野九州アジアリーグに参戦するための加盟承認は9月に発表されており、年内にチーム運営会社が設立される予定だ。

 県内初の野球のプロ球団を掲げており、選手への給与などを含み約1億円と見込まれる年間運営資金は主に協賛金で賄う予定。多くの県民や企業、行政に支えられる体制を目指す。県内は多くのプロ野球球団や大学チームなどが毎年キャンプを行っており、こうした地の利を生かして練習試合なども進めて選手の力を伸ばす想定だ。監督は佐土原高出身で、広島東洋カープでプレーした経験がある金丸将也さん(35)が務める。

西都などでトライアウト 

 トライアウトは2回に分けて行う予定で、まず11月5日に西都原運動公園野球場(西都市)で開催。県内外の社会人チームや大学などでプレー経験がある20歳前後を中心とした49人が参加し、実戦形式などの試験に臨んだ。このうち15人ほどが合格する。19日には2回目のトライアウトを日南市で行い、そちらでも15人ほどを選び、来年1月には球団の体制やユニホームなどを発表する予定。

 5日のトライアウトに参加した久留米大4年、中島駿投手(21)は「力を出し切ることができた。もし入団することになれば、チームをリーグ優勝に導けるような投手になりたい」と語った。

 金丸監督は「選手たちが自然と高め合っていける雰囲気のよいチームにしたい」と話していた。


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