JR九州は7月24日、在来線車両の検査などを行う小倉総合車両センター(北九州市小倉北区)を移転すると発表した。開設から130年超が経過して老朽化しており、約480億円を投じて近隣に最新技術を導入した基地を建設する。2031年度末の完成を目指す。
480億円投入、3キロ先敷地へ
移転先は、現在のセンターから約3キロ・メートル離れたJR貨物の東小倉駅(同)の敷地で、JR九州が24年度中にも用地を取得する。広さは7万8000平方メートルと現在(15万8000平方メートル)のほぼ半分に減ることから、車両の塗装作業や検査などを「最新鋭の技術で省力化する」(古宮洋二社長)ことでコンパクトな基地にしたい考えだ。
機械化などに伴い、センターに勤める従業員数は現在の約650人(グループ会社を含む)から抑える方向で検討する。
130年超の歴史
センターは1891年(明治24年)に開設され、1987年の国鉄民営化後はJR九州が引き継いだ。年間約400両の部品検査や車両改造などを担っているほか、豪華寝台列車「ななつ星in九州」の一部も製作した。移転後の跡地の活用法は今後詰める。