【佐賀】捕鯨文化テーマに映画上映 7月26日から唐津で
日本の捕鯨や鯨食の文化をテーマにしたドキュメンタリー映画「鯨のレストラン」(2023年、77分)が7月26日から、佐賀県唐津市の映画館「シアター・エンヤ」で上映される。制作・監督した八木景子さん(57)は7月27日に同館で舞台あいさつする。
八木さんは捕鯨問題を取り上げた初監督作「ビハインド・ザ・コーヴ」(15年)で世界的に注目を集めた。同作品は自主制作で、和歌山県の伝統的なイルカ漁を批判的に取り上げ、米アカデミー賞を受賞した映画「ザ・コーヴ」の主張に正面から異を唱え、国際社会に日本の捕鯨文化への理解を求めたためだ。世界で上映され、ネットフリックスでは17~20年、23言語版が世界190超の国・地域で配信された。
今回の新作は、鯨食文化に焦点を当てた。東京・神田の鯨料理専門店を中心に、宮城県石巻市の捕鯨基地の表情や鯨を巡る科学、環境問題、国際会議の模様などに複眼的な視点で迫っている。
監督が7月27日に舞台あいさつ
八木さんは一般社団法人「鯨食復興研究所」の理事長も務め、「縄文時代から続く捕鯨文化の正しい情報発信と国際理解」に取り組んでいる。かつて唐津市呼子町が捕鯨で栄え、県重要文化財「鯨組主中尾家屋敷」が保存、公開されるなど、今も捕鯨文化が暮らしに色濃く残っていることを八木さんが知り、同館での公開につながった。
8月1日まで上映する。特別料金で、一般1800円、60歳以上1100円、3歳から大学生1000円。八木さんは27日午後2時の回の上映終了後に登壇する。来場者との質疑応答も行われる。問い合わせはシアター・エンヤ(0955-53-8064)へ。