【山口】20年目の阿武町ジャズフェス 10月12日に開催
日本海に面した小さなまち・山口県阿武町に世界的なジャズミュージシャンを招き、生演奏を楽しむコンサートが今秋、20周年を迎える。今回は甘くつややかな「シルキー・ボイス」の弾き語りで知られるベーシスト、ニッキ・パロットさんがメインで出演。企画した同県萩市のジャズ喫茶店「ビレッジ」の店主、増本義隆さん(68)は「長年、支えてくれたファンに名曲の数々を名演で届けたい」と張り切っている。
町ではジャズでまちを盛り上げようと、増本さんらが中心になり、2005年から10年連続でジャズトランペット奏者の日野皓正さんら著名な演奏家を招いた「コンコード・ジャズ・フェスティバル・イン・ジャパン」を開催。その後も18、19年に開かれ、コロナ禍の休止を経て22年に再開した。
海外から著名な演奏家を招くなど長年の協力者だった東京のプロモーション会社社長、石塚孝夫さんが22年に他界した影響で、23年秋のコンサートは一時、開催が危ぶまれた。それでも増本さんは交流のあった国内を代表するジャズピアニストの小曽根真さんに出演を直談判し、開催を実現。同年からコンサートの名称を現在の「阿武町ジャズフェスティバル」に変更して再出発した。
豪出身の実力派ニッキ・パロットさんら出演
節目の年となる今秋のコンサートは、10月12日午後3時半に同町町民センター文化ホールで開演する。オーストラリア出身のニッキ・パロットさんは、欧米のジャズフェスティバルに出演する実力派。22年のコンコード・ジャズ・フェスティバル・イン・ジャパンにも出演しており、増本さんに「再びそちらに行くのを楽しみにしている」と率直な気持ちを伝えているという。
当日は約2時間にわたって「枯葉」などの名曲が披露される予定。ピアノ、ギター、サックス、ドラムの奏者には、いずれも都内などで活動する女性ミュージシャンを抜てきした。増本さんは「小さな町の小さなホールでのコンサートだが、質の高い演奏は世界に通用する。ジャズの灯(ともしび)をこの町でともし続けたい」と来場を呼び掛けている。
定員500人。全席指定で入場料は6000円。問い合わせは「ビレッジ」(0838-25-6596)か町民センター(08388-2-2044)へ。