【大分】新名物「だいなんワッフル」を食べ歩こう!
大分市の大南地域で、地名にちなんだ「だいなんワッフル」を新たな名物にする取り組みが進んでいる。ごぼうやあんず、地域でつくったしょうゆを使うなど、各店舗で工夫している。歴史的な建造物が残り、一見するとワッフルとは結びつかない地域だが、理由を探ると、地域おこしへの思いや、郷土料理を後世に残したいとの願いが込められていた。
ワッフルは、戸次、判田、竹中、吉野の4校区を合わせた「大南地域」での広がりを目指している。3月から売り出し、現在、戸次校区のカフェを中心に7店舗で提供されている。条件は、大南地域の食材などを使用し、格子模様のワッフルメーカーで焼き、大南地域の店舗で販売すること。
主導するのは、市まちなみ整備課で、観光支援の一環として、市内のフードディレクター・木村真琴さん(46)に「地域ならではの商品」の開発を依頼した。
ワッフルで地域おこし?
なぜワッフルなのか。木村さんはまず、郷土料理のことを書籍で調べたり、地元住民への聞き取り調査を行ったりした。その中で、小麦を使った料理が多く、中でも農作業の合間に食べられる軽食や、保存食を兼ねたものが多いことに気づいた。
さらに、大南地域は川に挟まれ、一部に堤防で囲まれた輪中があることに加え、江戸時代の町並みが残る「戸次本町」には格子模様のなまこ壁がある。挟んで焼いたときの模様が似ていて、町並みを楽しみつつ軽食として食べ歩きができることからワッフルになったという。
木村さんは、戦前の料理の再現も行い、そのレシピはパンフレットで紹介している。木村さんは「県内外の人が訪れ、地域の食文化と町並みを知るきっかけになってほしい」と語る。
実際に提供している飲食店でも好評だ。同市中戸次のカフェ「HARIYO」では、ごぼう茶を生地に練り込んだメニューを開発した。手土産として買ったり、他店と食べ比べをしたりする人もいるという。店主の女性は「幅広い年代の人に楽しんでもらっている」と語る。
市まちなみ整備課は今後も参加店を募集したり、イベントなどで市民にPRしたりして、定着させていくことにしている。同課の垣迫真志さん(28)は「大南地域の魅力を多くの人に発信し、訪れるきっかけにしてほしい」と話している。