【佐賀】鹿島市観光協会のまちづくりが観光庁長官賞に! 

 産業遺産や稼働している工場などを活用し、観光やまちづくりに取り組む優れた団体などを表彰する今年度の「産業観光まちづくり大賞」で、佐賀県の鹿島市観光協会が2番目の評価にあたる観光庁長官賞を受賞した。県内の団体で賞を獲得するのは初めて。白壁の蔵が美しく軒を連ねる「肥前浜宿」(鹿島市浜町)で、その町並みを使った活動や酒蔵を巡る「鹿島酒蔵ツーリズム」の開催などが評価された。

 肥前浜宿では、地元有志が中心となって、酒蔵を会場に1993年にコンサートを開催。その後もイベントを行った。2006年には一帯が国重要伝統的建造物群保存地区に選定され、景観整備に力を入れるなど、地域振興を目的にした動きが続いた。


松尾市長(左から2人目)に受賞を報告した鹿島市観光協会の中村代表理事(同3人目)ら

 11年、地元、富久千代酒造の「鍋島 大吟醸」が世界最大級のワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」日本酒部門で世界一の称号を得たことを契機に、市内6蔵を中心に鹿島酒蔵ツーリズムがスタート。21年には、JR肥前浜駅内に日本酒バー「HAMA BAR」も開設された。

 同大賞は、全国産業観光推進協議会と日本観光振興協会(いずれも東京)が主催し、16回目。今年度は32の企業・団体から応募があった。鹿島市観光協会は、肥前浜宿での各団体や住民らの取り組みを一つにして申請。「日本を代表する酒蔵ツーリズムの地として成果を上げ、『HAMA BAR』など経済効果を生む新たな取り組みを展開している」などと評された。

 11月13日、同協会の中村雄一郎代表理事らが市役所を訪れ、松尾勝利市長に報告。松尾市長は「地域の皆さん方に色々な形で活動を続けてもらっていることが賞につながった。価値を認めてもらった」などと述べた。中村代表理事は「活動の励みになり、受賞をきっかけに地域を売り出したり、まちづくりの後継者を育てたりしたい」と話した。


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