帝京大アイデアを大牟田の活力に まちづくりで連携協定
帝京大(東京)と福岡県大牟田市、大牟田商工会議所、大牟田医師会、市介護サービス事業者協議会は、「地域共創による持続発展可能なまちづくりに向けた包括連携協定」を結んだ。大学と、複数の行政機関や事業者団体が同時に協定を締結することは珍しく、関係者は「大学の教員や学生たちのアイデア、行動力を生かして、大牟田の活力につなげたい」と期待を膨らませている。
産業振興や保健福祉などの分野で協力
帝京大は1987年、同市に進出。炭鉱閉鎖による産業構造の変化、若者の減少、医療・福祉人材不足など、地域の社会情勢に対応するため、現在は福岡医療技術学部として人材を育成している。
市庁舎で3月14日に開かれた締結式には、冲永(おきなが)佳史・同大理事長や関好孝市長、各団体の代表者らが出席。産業振興、保健福祉、安心安全、人材育成などの分野で相互に協力し、大牟田市の持続的な発展と日本の学術の進展、将来のまちづくりを担う人材育成に寄与することを申し合わせた。
冲永理事長は「みなさんと意見交換しながら、より深い関係を築き、研究などに役立てたい。将来的には大牟田の暮らしが向上するきっかけにしていきたい」と抱負を語った。今後は、各学部の教員や学生らが大牟田市を訪れ、医療・福祉や企業などで現場実習や研修、研究を進めることにしている。
同学部の学生は、ほぼ半数が市内で暮らしている。しかし、卒業後、大牟田に残るのは5%ほどにとどまっており、同学部の担当者は「(数字を高めるためにも)まちの魅力や活力を高めることが大切」と強調した。
関市長は、まちなか再生・活性化を通して都市の価値と魅力を高めるため、公・民・学が連携する一般社団法人「アーバンデザインセンターおおむた」が昨年、活動を始めたことを紹介。「学生にとっても魅力的なまちは必要。活動の活性化のために大学、学生の意見を取り入れたい。学部が取り組んでいるDX推進についても、市内(各分野)で活用できれば」と願っていた。