【宮崎】「バファローズタウン清武」へ キャンプ地をPR

 宮崎市清武町をプロ野球・オリックス・バファローズのキャンプ地としてPRする取り組みが進んでいる。来年2月には、春季キャンプにあわせて町内の物産館、市交流プラザきよたけ「四季の夢」に球団カラーの塗装が施される計画が進むなど、町を挙げて「バファローズタウン清武」の定着を目指している。


現在の交流プラザきよたけ「四季の夢」

 オリックスは2015年から市清武総合運動公園で春季キャンプを行っており、来春で10周年を迎える。そこで清武町商工会の有志らでつくるオリックス・バファローズ清武協力会、同宮崎協力会、球団の3者で、四季の夢を塗装するプロジェクトを企画。建物外観をチームカラーの紺と白の色合いとし、球団ロゴなどもあしらう。

 資金をクラウドファンディングで募ったところ、11月中旬から約1か月間で目標金額の500万円を上回る600万円超が集まった。年内に施工を開始し、来年2月の春季キャンプにあわせて完成させ、オープンニングセレモニーを行う予定だ。

 オリックスは今季まで3年連続でパ・リーグを制すなど、近年、常勝球団となりつつあり、清武でのキャンプには全国から多くのファンが訪れる。旧清武町が宮崎市へ編入合併して13年。同清武協力会の河野俊郎会長は「合併後は地域のつながりが薄れていたが、キャンプが地域を盛り上げるきっかけになっている」と振り返る。


交流プラザきよたけ「四季の夢」の塗装完成イメージ(オリックス・バファローズ清武協力会提供)

 そのうえで施設を新たなランドマークとし、「地元の旬な農産物など清武の魅力を発信し、チームのグッズなども置いてファンと町がつながる工夫を考えていきたい」と語る。

プロ野球キャンプ盛ん

 国内有数のプロ野球キャンプ地である県内ではすでに、他球団のキャンプ地周辺に球団カラーにした建物があり、訪れる人らに喜ばれるスポットとなっている。

 広島東洋カープがキャンプを張る天福球場(宮崎県日南市)の最寄り駅、JR油津駅は、市民有志の発案で18年に外壁がチームカラーの赤色に塗り替えられた。球場と商店街を結ぶ市道も「カープ一本道」と呼ばれ赤褐色に舗装されている。

 日南市では埼玉西武ライオンズも毎年キャンプを行っている。練習が行われる南郷スタジアム最寄りのJR南郷駅は20年、地元高校生らの発案で球団カラーの青色に塗装された。広島、西武両球団の地元協力会事務局がある日南市観光協会でライオンズを長年担当する広池幸治さんは、「両駅はキャンプ期間外でもファンが写真を撮りに訪れるランドマークになっている」と効果を語る。

 読売巨人軍がキャンプを行っているひなた県総合運動公園(宮崎市)近くのJR木花駅も、地域の住民団体が企画して22年に外壁をオレンジと白と黒の3色で塗り分け、巨人軍のロゴマークもあしらわれた。


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