【山口】萩市・松陰神社の吉田松陰歴史館が改修オープン

 幕末の思想家・吉田松陰(1830~59年)の生涯をろう人形を使って紹介する松陰神社の吉田松陰歴史館(山口県萩市椿東)が改修を終え、装いも新たに再オープンした。上田俊成名誉宮司は「己の志を貫いた松陰の生涯を多くの人に知ってもらいたい」と話している。


改修を終えて再オープンした吉田松陰歴史館

 歴史館は、明治政府で陸軍を創設した大村益次郎(1825~69年)が主人公のNHK大河ドラマ「花神」の放映をきっかけに1978年、同神社の境内の入り口付近に開館した。

 松陰が下田(静岡県下田市)でアメリカ艦隊に伝馬船(てんません)での密航を企て、明治維新への端緒となったとされる1854年の「下田踏海」や、松陰らが主宰し、幕末の志士を輩出した松下村塾での教育などの場面を、等身大のろう人形約70体で再現している。

 上田名誉宮司と親交のある回転寿司の経営会社「銚子丸」(本社・千葉市)の堀地ヒロ子取締役会長が歴史館の老朽化を知り、「松陰先生ゆかりの場所を大切にしたい」との思いから改修費約2億円を提供。2023年5月から工事を進め、11月に再オープンした。

 建物の骨組み以外を全て新調し、コンクリートの床をぬくもりのある木板に張り替え、冷暖房設備を整えた。また、ほこりをかぶっていた人形をすべて清掃。「下田踏海」の場面は、故障していた装置を修理し、スイッチを押すと松陰の人形を乗せた船が10秒間、波間に揺れるように動くようになった。場面ごとに英訳の説明文が表示されるQRコードも添えている。


下田踏海の場面について説明する上田名誉宮司

 また、山口出身の歴代の首相を紹介するコーナーでは、22年7月に銃撃事件で亡くなった安倍晋三元首相の人形を、今月から展示。スーツやネクタイといった衣装は、生前着用していたものを昭恵夫人から寄贈してもらった。

 上田名誉宮司は「参拝者が松陰の生涯を一通り知ることができるよう工夫した。新しくなった館内をゆっくりと見て回ってほしい」と話している。

 開館時間は午前9時~午後5時。年中無休。入館料は大人500円、中高生250円、小学生100円、未就学児無料。問い合わせは、同神社(0838ー22ー4643)へ。


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