【熊本】被災地を元気に! 菊陽町と熊本市で復興映画祭

 熊本地震や九州豪雨の被災地を映画で元気づけてきた「くまもと復興映画祭」が11月30日と12月1日、熊本県菊陽町と熊本市で開かれる。1月の能登半島地震や4月に発生した台湾東部沖地震からの復興支援も兼ねており、ディレクターを務める熊本市出身の行定勲監督は「各地で災害が起き、立ちゆかない人もいる。映画を見ることで少しでも支援し、次につなげたい」と語った。

行定監督がディレクター


記者会見で映画祭への思いを語る行定監督

 映画祭は、熊本地震からの復興を支援しようと地震翌年の2017年に始まった。20年の九州豪雨で被災した人吉球磨地域も会場となった。8回目の今回は、台湾積体電路製造(TSMC)が進出し、台湾からの移住者が増加する菊陽町が加わることになった。

 30日は、午後1時から菊陽町図書館ホールでプレオープニング上映会がある。午後6時から熊本市の熊本城ホールでオープニングとなり、台湾映画界の名匠・侯孝賢(ホウシャオシェン)監督が東京を舞台に撮影した「珈琲時光」が上映される。主演の一青窈さんがゲストとして登場する予定だ。

 12月1日は、石井岳龍監督の「箱男」、藤井道人監督の「青春18×2君へと続く道」、奥山大史監督の「ぼくのお日さま」の3作品が上映されるという。ゲストや上映作品の詳細は、映画祭のホームページで確認できる。

高良健吾さんのTシャツも支援へ

 会場には募金箱を設置するほか、熊本市出身の俳優高良健吾さんがデザインしたTシャツを販売し、収益を被災地支援に充てる。行定監督は市役所で10月に開いた記者会見で、「熊本の復興を願って開催してきた。今年は各地からいただいたエネルギーを返していきたい」と語った。

 同席した吉本孝寿町長は「町民の台湾への関心が高まり、町でも多文化共生事業に取り組んでいる。台湾関連の映画が上映されるのは素晴らしい機会だ」、大西一史市長は「映画から色んなものを感じてもらい、心の復興、地域の復興につなげ、人と人との縁をつなげる映画祭になってほしい」と期待を込めた。


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