【宮崎】ハラール認証牛肉をカタールへ輸出 西都の企業
食肉加工販売会社のSEミート宮崎(宮崎県西都市)が、イスラム教の戒律に基づき製造したことを証明する「ハラール認証」の基準に従って処理した牛肉のイスラム圏への輸出を始めることになり、同社で1月29日、出発式があった。まずカタールに輸出するといい、有田米増社長は「国や県とも連携し、インドネシアやマレーシアなどにも進出していきたい」としている。
同社によると、同社の食肉処理施設はハラール認証の基準を満たしており、これまでにカタール、インドネシア、アラブ首長国連邦(UAE)への牛肉輸出に必要なハラール認証をそれぞれ取得している。2024年12月、日本とカタール間での協議がまとまり、同社で処理された牛肉のカタールへの輸出が認可された。
イスラム教では豚肉や酒の摂取が禁じられ、牛肉も定められた方法で処理したものしか口にできない。イスラム圏へ輸出するには、処理方法を順守していることを示すハラール認証を各国が公認した日本国内の団体から受けた上で、輸出の認可を得る必要がある。
カタールは人口約300万人で、イスラム教を国教とする。この日送り出されたのは県産牛肉約150キロで、現地でレストランを運営する事業者向けという。
出発式で、有田社長は飼料高騰などの影響で経営に苦しむ農家がいる現状に触れ、「厳しい状況を打開する輝かしい第一歩になる」とあいさつ。その後、関係者とテープカットし、トラックが出発した。