「身体は医療で、心は音楽で」 医師ユニットが福岡市で10月に公演

「曲が誰かの助けになれば」との思いで活動するToshiさん(左)とJyunさん

 福岡県内を拠点に全国で活動する現役医師2人の音楽ユニット「Insheart(インスハート)」が10月、福岡市中央区でコンサートを開く。病と闘う人たちをテーマにしたオリジナル曲を年1曲のペースで作っており、コンサートでは、希少がんで亡くなった女性と家族をモデルにした曲も披露する。

同級生2人で結成「Insheart」

 2人は、ボーカル兼バイオリンで、福岡県内の大学病院に形成外科医として勤務するToshiさん(38)と、ギター担当で佐賀県の精神科医Jyunさん(45)。長崎大医学部の同級生で、在学中にロックバンドを組んでいた。

 「身体は医療で、心は音楽で癒やしたい」と2015年にユニットを結成。「Inside your heart(あなたの心に寄り添いたい)」との思いを込めた。福岡県内外の病院などでコンサートを開き、思いのこもった歌声と優しいギターの音色を届けている。

患者や家族の思いを歌詞に

 曲名「今日だけは、この場所で」のモデルは、希少がん・消化管間質腫瘍(GIST、ジスト)で23年1月に47歳で亡くなった福岡市の泉川しずかさん。

 がん患者のためのチャリティーイベント「リレー・フォー・ライフ・ジャパン福岡」に合わせ、2人は24年、夫の雄一郎さん(50)と一人娘の奏音(かのん)さん(26)にインタビューをして作曲した。泉川さん一家の心境を推し量った歌詞を創作し、「会いたい」と漏らした雄一郎さんの言葉をサビにした。

「今日だけは、この場所で」

 〽「来年も一緒に桜を見ようね」 ドラマのセリフみたいって2人で笑った でもそれは 守れない約束になったね、
 だけど 守れてる 約束もちゃんとあるよ 娘と一緒にきいた あなたの最後の言葉 「2人仲良く…」 「2人仲良く…」

 その先は2人仲良く「生きて」だったと信じて 生きていくね 生きていくよ 約束守るから (中略)
 会いたい 会いたい 今 会いたい 会いたい 心が叫ぶ
(一部抜粋)

 奏音さんは現在も、母の死を受け止められないでいる。「そんな私の気持ちに寄り添ってくれる曲」と話す。雄一郎さんは「病気や事故で大切な人を亡くした人は、悲しみやつらさに蓋をして生活をしていると思う。この曲はその蓋を外してくれて、窮屈な気持ちを和らげてくれる」と言う。

10月17日、「スカラエスパシオ」で

 インスハートの2人はこの他にも、がん患者やダウン症の子どもらを題材にした曲を、当事者や家族らへのインタビューを基に作曲している。Toshiさんは「僕たちの音楽が同じような境遇の人に届き、心が癒やされればうれしい」、Jyunさんは「これからも元気を取り戻せるような曲を作りたい」と語る。

 コンサートは10月17日午後2時、福岡市中央区の福岡トヨタホールスカラエスパシオで開催。1席4800円で先行販売を受け付け中。問い合わせはキョードー西日本(0570-09-2424)へ。


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