天神・警固公園の喫煙マナーに批判の声 分煙対策求める声に福岡市の回答は?
記事 INDEX
- SNSでは喫煙マナーに批判的な声
- 警固公園の分煙対策は期待薄?
- 喫煙者と非喫煙者の共存は可能?
新型コロナウイルスの緊急事態宣言を受けて"封鎖"された福岡市・天神の「警固公園」で、喫煙者のマナーが問題になっています。公園を管理する福岡市は貼り紙をして喫煙自粛を求めていますが、効果はいまひとつ。灰皿を使えなくしたことで吸い殻のポイ捨てが増え、SNSでは喫煙者への批判が目立ちます。宣言延長が決まり、この先どうなるのでしょうか。5月31日は「世界禁煙デー」。福岡市に聞きました。
SNSでは喫煙マナーに批判的な声
平日夕方の警固公園。コロナ禍で広がった「路上飲み」の対策として設置された緑色のバリケードの前には、以前と変わらない喫煙者の姿がありました。灰皿が備え付けられた喫煙所があった周辺に年齢・性別を問わず喫煙者が集まっています。
携帯灰皿を手にした人が多いようですが、記者の目の前では、ファストファッションの紙袋を手にした女性が吸い終わったたばこの火を地面で消してそのまま去っていきました。また、スーツ姿の若い男性はバリケード前に腰を下ろして一服すると、吸い殻をその場に残して立ち上がりました。
SNSでは、そういった喫煙者のマナーに対して批判的な声が目立ちます。
「警固公園、たばこのマナーめちゃくちゃ悪いんで禁煙にしてほしい」「警固公園通ったんだけどたばこ吸ってる人らのマナー悪過ぎてびっくりした」など、多くの人が苦言を呈しています。さらに、「警固公園の喫煙所は永久的に封鎖でいいよ」と、公園の禁煙化を求める声も多いようです。
一方、喫煙者とみられる人たちからは「いよいよたばこ吸えるとこない。厳し過ぎんか世の中」「警固公園封鎖されたら天神近辺でたばこ吸える場所なくない?」といった困惑や悲痛な訴えが散見されます。
警固公園の分煙対策は期待薄?
警固公園は以前から受動喫煙対策が不十分で、"喫煙所公園"と不快感を示す市民の声もありました。
福岡市は2012年に警固公園を再整備し、ついたてで区切った喫煙所を設けて灰皿を設置。すると、天神地区が条例で路上禁煙となっていることもあって喫煙者が集中。喫煙エリア外でたばこを吸う人が続出して苦情が相次ぎました。翌年、市が灰皿を撤去すると今度はポイ捨てが問題になり、再び灰皿を置く事態になりました。
近年は公園出入り口付近の通路脇に灰皿を設置しているだけで、ついたてなどで喫煙エリアを区切ることはしていません。分煙対策は十分と言えず、対策の遅れが多くの非喫煙者の不評を買っているようです。
公園を管理する福岡市みどり運営課は受動喫煙対策の不備を認めつつも「公園は喫煙者にとっても憩いの場で、公園を禁煙にすることは考えていません。緊急事態宣言中は喫煙自粛のお願いしかできず、喫煙者のマナーに依存しているのが実情です」と話します。宣言延長によって公園の"封鎖"は継続しますが、宣言解除後は灰皿も以前のように復活する見通しです。
福岡市は警固公園の分煙対策に予算を投じる予定はないのでしょうか。市の担当者は「警固公園の分煙対策の不備は問題として認識していますが、予算の目処もなく、具体的な対策の予定は今のところありません」と話しました。
喫煙者と非喫煙者の共存は可能?
それほどまでに天神地区にはたばこを吸う場所がないのでしょうか。日本たばこ産業(JT)が提供するオンラインサービス「CLUB JT」の喫煙所マップで天神周辺の喫煙所を調べてみました。
検索した結果、喫煙所がある商業施設や、喫煙可能な飲食店は比較的あるようです。一方、屋外の喫煙所は警固公園のほかには天神中央公園くらい。警固公園に喫煙者が集まる理由は、"便利な"喫煙所の少なさにありそうです。
喫煙者と非喫煙者が共存できる警固公園は実現可能でしょうか。福岡市は分煙対策について「警固公園を禁煙にするだけでは問題は解決しないと考えています。まずは喫煙者にはマナーを守ってもらうこと。そして、喫煙者と非喫煙者の双方が納得できる解決策を検討していきます」と話しています。