北九州2例目の恐竜の化石 いのちのたび博物館で展示はじまる

北九州市で見つかった竜脚類恐竜の首の骨の化石

 北九州市立いのちのたび博物館(八幡東区)は、1996年に同市小倉南区で見つかった化石が、四足歩行の竜脚類恐竜の首の骨と判明したと発表した。同市で恐竜の化石が発見されるのは2例目。10月13日から同館で特別展示を始めており、担当者は「多くの市民に足を運んでもらい、興味をもってほしい」と話している。

福大助教らが9年かけて特定

 今回の化石は、山口県下関市から福岡県北部に分布する関門層群と呼ばれる地層から見つかった。発見時は硬い岩石に埋まっていたため、詳しい調査がされないまま保管されていたという。


化石について解説する田上助教


 2013年に、当時福岡大の学生だった立畠潤一郎さん(32)と、同大理学部地球圏科学科の田上響助教(44)が研究を開始。化石の周りの石を削って形を明確にする作業を1年半実施し、様々な論文を調べて対象を絞っていったという。その後、同大と熊本大が共同研究でCTスキャンなどを行って、竜脚類恐竜の化石であることを特定。10月11日に論文が学術誌で公開された。

「地面の下のロマンを感じて」

 化石の大きさは横38センチ、縦16.5センチ、厚み5.9センチで、恐竜の首の骨の化石としては、国内最大級とみられるという。発表では、約1億1000万年前に生息していたブラキオサウルスなどで知られるティタノサウルス型類に分類されるといい、全長は約10~15メートルだったとみられる。


竜脚類恐竜の復元図 ©Utako Kikutani(提供:いのちのたび博物館)

 立畠さんは「自分の地元の北九州で化石が見つかったのはうれしい。皆さんが普段歩いている地面の下に、もしかしたら恐竜が眠っているかもしれないというロマンを感じてほしい」と笑顔で語った。

 今回発見された化石は、同館1階の無料エリアで12月4日まで展示。終了後は同館で保管するという。


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