九州観光を元気に!学生がアイデア競う 最優秀は西南学院大

マッチングアプリによる異文化交流のアイデアを提案する西南学院大のチーム

 九州観光機構は「学生対抗九州観光ビジネスプランコンテスト」を初めて開いた。コロナ禍で大打撃を受けた観光業界の再生に向け、若者のアイデアを生かして新たな誘客施策に取り組もうと企画した。最優秀賞には、福岡市の西南学院大のチームが提案した外国人観光客と九州在住者をマッチングアプリでつなぎ、個人同士の交流で旅行需要を喚起するアイデアが選ばれた。


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マッチングアプリで需要喚起

 機構が九州の大学などに参加を呼びかけ、20大学48チームから応募があった。福岡市で昨年12月に開かれた最終選考会には、1次選考で残った10チームが順に登壇し、審査員を前にプレゼンテーションに臨んだ。

 西南学院大は、九州の魅力として「人の温かさ」や「知られていない観光資源が多くある」ことに着目。日本観光に興味がある外国人と九州在住者を対象にしたマッチングアプリを作ることを提案した。

 具体的には、アプリを活用して▽「歴史」「ラーメン」「アニメ」などテーマごとの掲示板で会話してもらう▽外国人が興味を持っている分野について九州在住者が情報提供するなどし、交流の度合いに応じて九州での買い物などで使えるポイントを双方に付与する――といったアイデアを披露。こうした仕組みで異文化交流を活発化させ、海外から九州を訪れる動機を高めると強調した。


最優秀賞に輝いた西南学院大のメンバーら

 西南学院大のチームは、留学中の学生を含む同じゼミの9人のメンバーで挑んだ。代表者の浜中健太朗さん(21)は、SNSで知り合った友人が九州旅行に訪れた際に案内した経験もあり、アイデアを思いついたという。

 浜中さんはプレゼンテーションで「人との交流が最も旅行の思い出になる。九州は人も温かく、人のおもてなしが観光資源になる」と訴え、審査員から九州ファンの開拓につながり、継続的な来訪が期待できると評価された。

尚絅大と佐賀大に優秀賞

 このほかにも、▽温泉文化を「湯道」として売り込む熊本市の尚絅(しょうけい)大の提案▽嬉野温泉(佐賀県)で人力車と追尾式運搬ロボットを組み合わせた送迎のアイデアを提案した佐賀大にも優秀賞が贈られた。また、鹿児島大に留学するベトナム人学生からの提案もあるなど、多彩なプレゼンテーションが行われた。


佐賀大のチームによるプレゼンテーション

 審査員を務めた機構の唐池恒二会長や、ハウステンボスの坂口克彦社長らからは、「素晴らしい」「みなさんで起業したらどうか」など称賛の声が次々に上がった。「学生が頑張って考えてくれたので、今度は、私たち業界が実現に向けて協力しないと」といった声も聞かれた。

 機構は実現の可能性が高いアイデアについては、受賞を逃した提案も含めて関係企業や自治体に呼びかけ、学生との協業を後押ししていく考え。コンテストは来年度も開催する方針だ。


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