「おみくじの花」がまんまる満開に! 築上町の綱敷天満宮

綱敷天満宮にある直径約1メートルのおみくじ結び

記事 INDEX

  • 春を迎えた境内
  • おみくじで梅を
  • 神様からの言葉

 「受験に御利益がある」とされる福岡県築上町の綱敷天満宮。梅の花が開き始めた境内で、巨大な球体の「おみくじ結び」が訪れた参拝者らの目を引いている。

春を迎えた境内

 綱敷天満宮は、学問の神様として知られる菅原道真公にゆかりがある。都から大宰府に向かう道真公が、暴風雨に見舞われて近くの浜に漂着し、このときに漁船の綱を敷いて体を休めたという故事から、綱敷天満宮と呼ばれるようになったとされる。


受験に御利益があるとされる綱敷天満宮

 梅の名所としても知られ、境内では約30種類・1000本の梅が見られる。今年は開花が例年より10日ほど遅れており、訪れた2月20日はまだ三分咲きだった。2月終わりから3月上旬にかけて見頃を迎そうだという。


境内に植えられた梅が社殿の窓に映る

 境内で耳をすますと、甲高い野鳥の声に交じって、「チーチー」と小さなさえずりが聞こえる。体長十数センチのメジロだ。梅の花にくちばしを差し込んで上手に蜜を吸い取っている。ウグイスより警戒心が小さいというメジロ。春を迎えた木々の間を飛び回る姿が、参拝者の目を楽しませていた。


蜜を求めて飛び回るメジロ

 わが子の合格祈願だろうか――、境内では一心に手を合わせる人の姿もあった。町民らから「東の太宰府」とも呼ばれるゆえんだ。


おみくじをじっと見る参拝者


 「大吉! おー、すごかね。読んであげようか」。穏やかな日差しの中、おみくじに顔を寄せて笑いあったり、真剣な表情で内容を確かめたりする人の姿が見られる。


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おみくじで梅を

 読み終えたおみくじを手に多くの人が向かうのが、境内の3か所にある直径1メートルほどのおみくじ結びだ。神社によると、ちょうど40年前に設置したそうで、今では綱敷天満宮のシンボル的な存在となっている。


境内でひときわ目立つおみくじ結び

 なぜ「まんまる」に? 神職に聞いてみた。

 神社では1年を通して白色のおみくじを販売している。ただ、お正月から梅が花を咲かせる時期にかけては、赤とピンクのおみくじも用意している。


真下からのぞいてみると…

 「天神さんと言えば、やはり梅でしょう」と神職。「ピンクや赤のおみくじで、梅が満開になっているような情景を表現できたなら」――。そんな思いを込めて、球体のおみくじ結びを置くことになったとのことだ。


連なる鳥居の先で、梅が満開になっているように見えた

 当時は、境内の梅の木におみくじを結びつける参拝者も多かったそうだ。開花が近づいた枝から、神職らがおみくじをほどいて外そうとすると、つぼみまで落ちてしまうことも少なくなかった。「梅の木を守りたい」。そんな気持ちもあったという。

神様からの言葉

 華やかなおみくじ結びを目にして、「ティッシュペーパーで作った大きな花かなと思った」と言うのは、幼なじみ3人で行橋市から訪れた帆足玲子さん(68)。おみくじに手を伸ばし、「この通りに商売繁盛すればいいねぇ」と笑顔で話してくれた。


「大きな花」のようにも


 おみくじは「神様からの言葉」。吉凶判断のために引くのではなく、書かれている内容を守ったり、気を付けて行動したり、生活の”指針”にすることが大切だという。


おみくじは「神様からの言葉」という

 おみくじは境内で結んでも、自宅に持ち帰っても問題ないそうだ。「書かれた内容を自身の行動に照らし合わせることで、災難から逃れたり、良い運勢を引き寄せたりすることができるのでは」


おみくじを引いた多くの人が結ぶという


 取材を終え、100円玉を箱に入れておみくじを引いてみた。「末吉」だった。視線はつい最も気になる項目へと向かう。「おそけれど来る」――。神様からの言葉として大切に持ち帰ることにした。


お祈りする姿が、社殿の奥にある「神鏡」に映っていた



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