悩み抱える若者らが考案 福岡市で発売10年目の人気ソース

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  • 売り場で笑顔
  • 若者の声から
  • 長く続けたい

 福岡市で、引きこもりや非行などの悩みを抱える若者らが考案した万能調味料が、販売10年目を迎えました。その名も「めんどくさい人用 Thank you ソース」。6月24日の15~17時に福岡市・天神の警固公園で今年度2回目の販売会を行う予定で、関係者は「ぜひ手にとってみて」と呼びかけています。

売り場で笑顔

 「Thank you ソース、販売しています」
 「今年は500本限定です!」

 6月14日、今年度最初の販売会が福岡市役所で開かれました。支援団体のスタッフや若者らが、通行人らに声をかけて約300本を販売しました。


買い求める人が次々と訪れた、福岡市役所での販売会

 3本をまとめ買いした市職員の男性(46)は「4、5年前から買っています。ピリ辛で冷ややっこなどに合い、これからの季節にちょうどいい。若者も応援したいし、いい取り組みだと思います」と話しました。

 支援団体に関わっている若者(19)はこの日、売り場を担当。「最初は緊張したけど、だんだんと人と話すのを楽しめました。みんなが作っているものに興味を持ってもらい、買ってくれてうれしい」と笑顔を見せました。


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若者の声から

 Thank you ソースは、福岡市や福岡県警などが連携して2012年度に始めた「子ども・若者活躍の場プロジェクト」の一環で誕生。14年度から毎年この時期に販売しています。


商品名には「気軽に使って」などの思いを込めた


 プロジェクトでは、悩みをもつ若者に立ち直りや就労の機会をつくろうと、運営を受託するNPO法人循環生活研究所(福岡市東区)が中心となり、農業体験活動(通称・39ふぁ~む)を行っています。加工品作りや販売にも挑みたいという声が上がり、話し合いを重ねてこのソースができました。気軽に使ってもらえるように「めんどくさい人用」とし、活動の通称や感謝の思いを「Thank you」に込めました。


 使用するタマネギは、生ゴミ堆肥(たいひ)などを使って若者たちが栽培。ソースはタマネギの甘みに、唐辛子と手作りの塩こうじを加えた濃厚な味付けで、サラダや麺類にかけたり、煮物やいため物に加えたりと、様々な料理に合わせられます。

 なお、ソースのレシピは、プロジェクト内で受け継ぐ“秘伝”のものだそうです。


農作業の様子(提供:福岡市)


 14年度以降、タマネギの収量などに応じて各年度1300~300本を製造し、今年度は内容量280グラムで500本を用意しました。1本税込み550円です。

長く続けたい

 参画する支援団体の一つ、NPO法人SFD21JAPANの小野本道治理事長(56)は「野菜の世話に集中したり、販売が好きだったり。若者それぞれの個性に合った活躍の場があります」とプロジェクトを評価。これまでに関わった若者の中には、支援から自立して就職したり家庭を持ったりした人もおり、「長く続けていきたい」といいます。


2014年度から、味わいや図柄は変わらない

 39ふぁ~むには昨年度、五つの支援団体が関わり、10~30歳代を中心に約30人が参加しました。今年度は六つの支援団体が参画。農作業の拠点は、福岡市東区三苫、中央区今泉、西区今津の3か所を用意し、若者がいずれか希望する場所で従事でき、個人での申し込みも受け付けています。

 Thank you ソースに続く商品の開発も進めています。福岡市こども健全育成課の担当者は「興味があれば、ぜひ気軽に問い合わせてほしい」と呼びかけています。

 同プロジェクトでは参加する個人や団体を募集中。市のホームページ、プロジェクトのフェイスブックインスタグラムでも情報を発信しています。

 団体参加やプロジェクトに関する問い合わせは福岡市こども健全育成課(092-711-4188)、個人参加については循環生活研究所(092-405-5217)へ。


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