八女・星野村の闘茶会に参加して茶の奥深さを知った
記事 INDEX
- 飲み比べて予習
- いざ!闘茶に参加
- ハイレベルな決勝戦
茶の産地・福岡県八女市で、茶の知識や識別力を競う「闘茶会」が開催されました。日本茶を飲む機会は多いのですが、あらためて「知識」と言われると自信がありません。これを機に勉強して、茶を趣味にするのも悪くないと考え、大会に参加してきました。そこで知ったのは、茶の世界の奥深さでした。
鎌倉時代に流行した遊び
今回参加したのは、八女市星野村の「茶の文化館」で開かれた「新春星の大闘茶会」です。古賀佳代館長によると、闘茶は鎌倉時代にはすでに行われており、武士たちの間で流行しました。産地を当てて競う遊びで、あまりに多くの人が熱中したため、室町幕府が禁止令を出すほどだったといいます。今では、茶業関係者の審査技術向上などを目的に行われることが多いようです。
八女市の大会は、茶の栽培が閑散期となる冬場も産地を盛り上げようと開かれています。ならわし通りなら産地を当てて競うのですが、参加しやすいようにルールが緩められています。予選では基礎知識の問題と初歩的な飲み比べが課され、決勝に進めば産地当てに挑むことになります。
飲み比べセットで予習
本番に向けて勉強です。希望者のために予習用の飲み比べセットがあると教わり、早速取り寄せました。送られてきたのは、「普通蒸し煎茶」「深蒸し煎茶」「白折」「番茶」「玉露」の5種類の茶葉です。
茶は、収穫や加工の方法によって種類が変わります。茶葉を並べると、白折は色がはっきり異なるのですが、ほかの4種類はなかなか判別がつきません。茶葉の大きさや色味に若干の違いがあるようなのですが…
いれてみると、色は少しずつ違います。特に、玉露は淡い色をしています。口に含むと、渋みやうまみに差があります。茶の種類をふだん意識したことはないのですが、じっくり飲み比べると確かにそれぞれ違っています。
いよいよ本番スタート!
本番の1月26日、気合を入れて茶の文化館へ向かいました。館内の展示でも茶のことが学べるため、グリーンティーを飲みながら最後の追い込みです。
この日の参加者は49人。小学生くらいの子どもからお年寄りまで、幅広い年代が集まっています。
最初は「外観鑑定」です。10種類の茶葉を見た目や香りだけで当てます。自信を持って答えられるのは、半分くらいでした。あとは、「蒸す時間が長ければ色が薄くなるのでは」などと、自己流の仮説を立てながら答えを導くしかありません。
次は「○×クイズ」。これも自信を持って答えたのは20問中10問ほどでした。
そして「飲み比べ」です。普通蒸し煎茶、深蒸し煎茶、白折、番茶、玉露を当てるルール。予習の成果を見せるときです。
しかし…予想外です。てっきり5種類が同時に出てくると思っていましたが、1種類飲むごとに、その茶を当てる方式です。すべてを並べ、色や渋みを比べれば何とかなると考えていましたが、これは大誤算です。
予選が終わり、いよいよ結果発表。3競技の合計点で上位の5人が決勝に進めます。
そして、私の成績は…
49人中23位!
良くも悪くもなく、「真ん中より少し上」ということで、初心者にしては健闘した方ではないでしょうか。
結果を詳しく見ると――
外観鑑定…10問中7問正解
○×クイズ…20問中15問正解
飲み比べ…5問中1問正解
必死に予習した飲み比べで1問しか正解できなかったのが痛手でした。
決勝選を見学
気を取り直し、決勝戦の模様を見学しました。伝統にならい、茶を飲んで産地を当てるルールです。用意されたのは、福岡、佐賀、熊本、宮崎、鹿児島の茶です。
見た目では違いがほとんど分かりません。"強者"の5人も首をかしげながら飲み比べています。
激戦を制したのは、八女市内の小学6年の女子児童でした。決勝を戦ったメンバーでは最年少です。茶が好きで、日ごろからよく口にするとのこと。それにしても、すごいです!!
今回、予習と大会を通じて日本茶と向き合い、「加工方法で風味や色合いがこんなにも変わるのか」と、その奥深さを実感しました。
来年は、決勝の舞台に進めるよう精進していこうと思います。