世界に発信「ものづくり」のまち 北九州でネジチョコの新工場が稼働

 本物と同じようにくるくる回せ、食べやすい一口サイズ――。2016年に商品化され、瞬く間に話題となった北九州の「ネジチョコ」が量産体制に入りました。「ものづくり」のまち・北九州を象徴する土産品として人気が高く、品薄状態が続いたため、増産に対応する新工場が1月に稼働しました。世界にも販路を広げていく計画です。

洋菓子店こだわりのネジ

 ネジチョコ開発の一翼を担った「グラン ダ ジュール ソワニエ」(北九州市小倉北区)は、フランスの伝統菓子を基本に旬の食材を使った洋菓子を販売しています。店に入ると、一角にネジチョコが並んでいました。


 ボルトとナットが一組で、本物のように回せる精巧なつくりは販売当初から話題になりました。福岡県外への手土産に買い求める人が多いそうで、店長の吉武千尋さんは「製造業に携わる男性のお客さまが多いです。仕事で扱うものだから、思い入れも一段と強いのでは」と話してくれました。


 「洋菓子屋なので、味には徹底的にこだわりました」と吉武さんが言う通り、一口サイズの小さなチョコですが、カカオのコクやほろ苦さ、なめらかな口どけを楽しむことができます。ほどよい硬さと、上質な味わいを同時に実現するため試行錯誤を重ねたそう。商品化して間もなくは、パティシエが1日に数百個を手作業で作っていたとのことです。


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先端技術で精巧なチョコ

 日本の近代化に貢献した旧官営八幡製鉄所の関連施設は2015年、「世界文化遺産」に登録されました。これを機に、通信会社「オーエーセンター」(北九州市小倉北区)が、「鉄」や「ものづくり」をイメージできる土産の開発に取りかかり、立体を緻密に再現できる3Dプリンターを駆使してネジチョコが誕生しました。


 かわいらしいネジチョコは販売当初から人気となり、売り場に並ぶ前に予約で売り切れる店もあったため、オーエーセンターは増産に踏み切りました。1月に竣工した新工場「ネジチョコ ラボラトリー」(北九州市小倉南区)は最新鋭の設備を導入し、1日3万個以上を生産できるそうです。海外への販路拡大も進めることにしており、世界に向けて「ものづくりのまち・北九州」を発信していきます。


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