半端ないって! 福岡県警機動隊の訓練に挑戦、そして撃沈


記事 INDEX

  • 機動隊員から"会心の一撃"
  • 盾を装備して走る
  • 災害救助で活躍

 要人警護やテロ対策、災害救助など様々な現場で活動する福岡県警の機動隊。一般の警察官では対処できない事案も扱うことから「治安維持最後の砦」と呼ばれ、日頃から厳しい訓練に取り組んでいます。福岡県警が第一機動隊隊舎(福岡市東区)で報道機関向けに初めて開催した「体験入隊」に参加しました。


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機動隊員から"会心の一撃"

 重い一撃をあごに食らい、意識が遠のきそうになりました。柔道や剣道などの武道を組み合わせた「逮捕術」の訓練。互いに武器を持たない状態を想定し、防具をつけて隊員と2分間の対戦を3回繰り返しました。何発殴られ、何回倒されたか。「いつもの3割の力ですよ。普段はこの10倍くらい練習しています」。対戦相手の隊員の言葉に面食らいました。


機動隊員のパンチを食らう記者(中央)

水中捜索やテロに対応する専門部隊

 福岡県警の機動隊は全員が男性で、女性隊員はいません。そのうち約8割が20歳代の若手です。福岡市と北九州市に拠点を構え、視界がなくても川底などから証拠品を見つけ出す「スクーバ部隊」、生物化学テロなどに備える「NBCテロ対策隊」などの専門部隊も備えています。

 災害現場などで人命救助にあたる訓練もハードでした。空気ボンベが必要な場所での活動を想定し、要救助者に見立てた隊員を担架に乗せて、それを4人で持ったまま1階と2階を階段で上り下り。「酸素は限られているぞ。呼吸を整えろっ」のげきが飛びます。手に力が入らなくなり、担架を落としそうになるのをこらえるのがやっとでした。


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盾を装備して走る


 重さ6キロのプロテクターを装着し、8キロの盾を頭上などに構える訓練は、火炎瓶の投げ込みやデモ隊の規制を想定しています。そして、その盾を抱えたままランニングへ。訓練開始から約7時間がたち、足がつりそうです。途中で盾を持つのを免除してもらいましたが、3分と持たずに地面に倒れ込んでしまいました。

 「気力だ! みんなでゴールするぞ!」。げきが飛びますが、立ち上がることさえできません。28歳。身長167センチ、体重90キロ――。日頃の不摂生を反省しました。隊員たちは普段、この走り込みを1時間以上も続けるそうです。


ランニングだけでこの表情

 「機動隊の仕事は訓練9割、出動1割。訓練以上のことは現場でもできません。いつ発生するか分からない有事に備え、結束力を高めながら訓練を重ねています」。機動隊の幹部が話してくれました。体験入隊を通して、機動隊の頼もしさや隊員たちの誇りを感じました。


修了証書を受け取る記者(右)


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災害救助で活躍

 自然災害が全国で相次ぐ中、機動隊にとって災害救助は重要な任務です。福岡県警の機動隊には専門部隊「特別救助班」(特救班)があります。特救班は2004年の「新潟県中越地震」をきっかけに発足。現在は16都道府県警にあり、九州では福岡県警にしかありません。身体的能力や救助技能で選抜された約10人が所属し、2016年の「熊本地震」や2018年の「西日本豪雨」でも現地に出動しました。人が入れない場所を確認するファイバースコープ、人の呼吸に反応する生存者探査装置など、高度な装備資機材も配備されています。

 福岡県警の機動隊は1997年以降、8回にわたり延べ約4500人の隊員を県外の災害現場に派遣しています。隊員の一人は「どんな現場にも対応できるように、様々な想定で日々の訓練に取り組んでいます」と力を込めました。



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