Z世代とつくる新しい博多大丸 「ニューマルデパート」来てね!

専門学校生と準備を進めた企画「ニューマルデパート」を11月1~7日に開催

記事 INDEX

  • 若者に”刺さる”商品を!
  • 新たな視点で魅力を発信
  • 世代を超えて貴重な体験

 福岡市の百貨店・博多大丸(大丸福岡天神店)が、Z世代とともに地元商品の変革に挑む「ニューマルプロジェクト」に取り組んでいます。福岡デザイン専門学校(福岡市中央区)の学生たちと協力し、若い世代に”刺さる”商品のパッケージやキャッチコピーを考案。同店で11月1~7日、新提案の商品を販売する企画「ニューマルデパート」を開催します。

若者に”刺さる”商品を!

 これからのトレンドや消費をけん引するZ世代ですが、価値観の違いなどから購買行動をよむのは難しく、プロジェクトは”新しい世代とつくる新しい大丸”を目指し、5月に始動しました。同じ課題に悩む地場企業は多く、ともに活動を進めました。


ニューマルプロジェクトに取り組む学生たち(博多大丸提供)


 江崎製麺(福岡県筑後市)、武久(同)、徳永農園(同県大牟田市)、玄海漬(佐賀県唐津市)の4社もプロジェクトに参画。自社商品をZ世代にも購入してもらおうと、その年代にあたる学生たちの視点から課題解決策を一緒に探りました。


 プロジェクトに参加した学生は18~27歳の有志約20人。各企業の担当者に、抱えている課題や商品への思いなどを聞き、全20回の議論や打ち合わせを重ね、若者に訴求するための企画提案を専門のデザイン分野から行いました。


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新たな視点で魅力を発信

 学生たちが出したアイデアにより、各社の商品デザインは様変わりしました。

江崎製麺の棒状ラーメン

 商品の歴史と昭和レトロを感じさせる棒状ラーメン。学生たちは、その「なつかしさ」に「新しさ」を加えました。誰もが経験する「初恋」をキーワードに、横型パッケージで映画のような世界観を表現し、パッケージ裏側には短い小説を添えました。


江崎製麺の棒状ラーメン

新デザインのキーワードは「初恋」


武久の原木シイタケと加工品


 原木シイタケの栽培が、森の手入れに深く関わり、環境保全に結びつくことに共感した学生たち。森や地球などを表す四つのアイコンをパッケージに大きく配置しました。「森を守るシイタケのすごさを知ってほしい」という願いが込められています。


四つのアイコンを配した新パッケージ


徳永農園の無農薬・多品種野菜


 農園代表に話を聞いた学生は、畑で育てているのは野菜とそれを食べる人の笑顔だと気づいたそうです。「誰かのために」をコンセプトとし、野菜をPRするだけではなく、生産者の情熱と価値観を伝えるポスターやプロモーション動画を制作しました。


「誰かのために」をコンセプトにしたポスター


玄海漬の粕漬け


 ほとんどの学生が「粕漬けって何?」という反応でした。食生活が「洋」にシフトしている若者に、まずはチーズやドライフルーツなどの粕漬け商品を試してもらおうと、かわいらしいパッケージのデザインやハムスターのキャラクターを考えました。


かわいいデザインを”入り口”に粕漬けの世界へ


世代を超えて貴重な体験


 実験的に動き始めたプロジェクトですが、参加企業はZ世代の”実像”を知る機会になり、学生も商品プロモーションの現場を体験できました。博多大丸営業2部マネジャーの保田一賢さんは「学生の豊かな発想力に驚かされました。Z世代に対して宇宙人的なイメージを持っていましたが、共感できる部分は多いと感じました」と話します。


企業の担当者(左)との打ち合わせ(博多大丸提供)


 ニューマルデパートでは学生も店頭に立ち、自分たちがデザインした商品の魅力を伝え、販売を手伝います。博多大丸の担当者は「学生が商品の背景や生産者の思いをくみとって取り組みました。店頭の装飾も学生たちが手がけたので、ぜひ見てほしいです」と来店を呼びかけています。


 ニューマルデパート
 会期/11月1日(水)~11月7日(火)
 時間/10:00~20:00
 場所/大丸福岡天神店 地下2階南側連絡通路



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