農園跡が大変身!「長老」が仲間とつくったサバゲ―フィールド

フィールドを管理・運営する「長老」(前列中央)とサバゲー愛好家たち

記事 INDEX

  • 還暦を目前に「どハマり」
  • 思う存分に遊べる場を!
  • 楽しんでもらうのが幸せ

 仲間たちに「長老」の名で親しまれる男性が造ったサバイバルゲーム(サバゲー)の屋外型フィールドが、福岡県直方市下境にあります。自然の起伏を最大限に生かした「真・長老の杜(もり)」で、週末には幅広い年代の愛好家が集まってきます。

還暦を目前に「どハマり」


自然を生かしたフィールドでサバゲーを楽しむ人たち

 長老の杜は、竹や樹木に囲まれた7000平方メートルほどのエリアに、やぐらや遮蔽(しゃへい)物が立っています。3月下旬の日曜日に訪ねてみると、エアガンを手にした10~70歳代の約20人が敵と味方に分かれて、“銃撃戦”を繰り広げていました。


手作りした遮蔽物が立ち並ぶ

 このフィールドを整備したのは、北九州市八幡西区に住む岩永一司さん(74)です。サバゲーとの出会いは、還暦を目前にした15年ほど前――。友人に誘われて参加し、その楽しさに「どハマり」したそうです。


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思う存分に遊べる場を!

 土地を所有するのは岩永さんの知人。かつてはブドウ園でしたが、栽培をやめて久しく、竹林や雑草に覆われていました。サバゲ―にすっかり夢中になり、「思う存分に遊べる場所があれば…」と思案していた岩永さんは、この知人に相談して、この場所にフィールドを造る了解を得ました。


仲間に「長老」と慕われる岩永さん(中央)

 元ブドウ園には竹やつるが生い茂り、切り開くのに2、3年かかったそうです。休日などに少しずつ作業を進め、ようやく2012年に仲間でゲームを楽しめるように。13年からは「真・長老の杜」として一般に開放し、愛好家が集う場所になりました。


竹で手作りした休憩スペース

 プレーヤーが身を隠したり弾をよけたりする遮蔽物は、譲り受けた物流用パレットなどを再利用。休憩スペースも手作りし、トイレや更衣室も備えています。作業に手弁当で参加してくれた仲間もおり、「いろんな人に支えられた」と振り返ります。

楽しんでもらうのが幸せ


規定を守りながら本格的なサバゲーが楽しめる

 サバゲーを愛しているからこそ、初心者も利用しやすく、みんなが楽しく安全にプレーするためのマナー・ルールを徹底。フィールド利用の規定を設け、承諾書への署名を参加者に求めます。3月下旬の定例会でも、参加者が規定を守って楽しむ姿が見られました。


サバゲー愛好家の装備品


 フィールドは、月~土曜は貸し切り(予約制、2万2000円から)、日曜には定例会(フリー、1000円から)が開かれます。初心者も気軽に体験できるように、基本装備一式の有料レンタルも行っています。


「80歳過ぎまでは頑張りたい」と岩永さん(左)


 もうかるわけではなく、施設の維持管理も大変ですが、「80歳を過ぎるまでは続けたい」と話す岩永さん。ゲームに熱中する人たちを見守りながら、「楽しんでもらうことが幸せ。若い人たちとかかわることで、元気ももらえるからね」と笑います。



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