北九州・鳥町食道街に小倉焼うどん発祥の店「だるま堂」が帰ってきた
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北九州市・小倉のご当地グルメとして知られる焼うどん。戦後の食糧難の時代、手に入りにくかった焼きそば麺の代わりに乾麺のうどんを使ったのが起源といわれ、発祥の店とされるのが鳥町食道街の「だるま堂」です。2代目店主の坂田チヨノさんが昨年暮れに亡くなったことを受け、地元のまちづくり団体「小倉焼うどん研究所」が店を継承。7月23日、約10か月ぶりに店を再開しました。
小倉焼うどん研究所が継承
「食を通してまちおこしを」という思いから生まれた小倉焼うどん研究所は、B級グルメイベントなどを通じ、小倉名物・焼うどんのPRを行ってきました。坂田さんもその実績を買っており、高齢の坂田さんを気遣う親類は数年前から「いずれは店を引き継いでほしい」と、研究所代表の竹中康二さんに相談を持ちかけていたそうです。
「思っていたより早く継承の時期がきてしまい、最初は慌てました」と竹中さん。しかも年明けからは、新型コロナウイルスという予期せぬ逆風にも見舞われました。営業再開に向けて、金融機関の融資を取り付け、クラウドファンディングでも多くの協力を得ることができました。
改装された店内は、カウンターの木目も新しく、以前とは見違えるほどに。メニュー表には小倉織のテキスタイルブランド「小倉縞縞」の生地を使用するなど、小倉らしさを演出する細かな気配りもされています。通常は客席を置いている2階は、レンタルスペースとしても利用できます。
食べ比べ、新メニューもぜひ!
店の看板メニューの「焼うどん」と「天窓」(焼うどんに半熟目玉焼きをのせたもの)にはそれぞれ、伝統の調理法を受け継ぐ「だるま堂」と、「小倉焼うどん研究所」の2種類の味があります。食べ比べてみるのもおすすめです。
注目メニューは、人気ベーカリー店「グラティエ」のパンを用いた「焼うどんパン」。手軽に食べられ、ボリュームもあるので時間のない時にもぴったりです。
ドリンクは、門司港地ビール工房の「サクラビール」、ハイボールの起源といわれる「デュワーズハイボール」といったアルコール類もそろっています。テイクアウトメニューにも力を入れており、新たなコラボ商品の計画もあるそうです。
北九州グルメのアンテナショップに
竹中さんは「伝統のだるま堂の名前で、カップ麺など小倉らしい土産商品も作りたいですね」と話します。北九州には焼うどんのほかに、戸畑チャンポン、門司港焼きカレー、八幡ぎょうざといった名物があり、それらをだるま堂で提供できる仕組みも考えていきたいとのことです。
「だるま堂をご当地グルメのアンテナショップ的な役割を果たす場所、北九州を訪れた人が北九州の魅力に気づく場所にしていきたい」。竹中さんはこの受け継いだ店で、伝統を新しい価値とともに未来へ伝えていこう、と意を強くしています。
店名 | だるま堂 |
所在地 | 北九州市小倉北区魚町1-4-17 |
営業時間 (10月から) |
月、火、木/11:30~19:00 (15:00~17:00はテイクアウトのみ) 金、土 /11:30~21:00 (15:00~17:00はテイクアウトのみ) 日 /11:00~18:00 水 /定休日 |
電話 | 093-287-5215 |
公式サイト | だるま堂のフェイスブック |