南久留米駅にシェアキッチン開業! 日替わりで飲食店が出店

新しくできる南久留米駅のシェアキッチンで料理を提供する店主ら

記事 INDEX

  • ニッコリ笑える場所に
  • 曜日ごとに店が替わる
  • 門出のマルシェを開催

 地域のにぎわいを創出しようと、JR九州は12月24日、久大線の南久留米駅(福岡県久留米市)にシェアキッチンを開業します。無人駅の遊休スペースを活用する取り組みの一環で、使われていない元駅事務室を改装しました。キッチンでは地元の人気飲食店5店舗が日替わりで営業し、パンやスパイスカレー、手作りハムなどを提供します。

ニッコリ笑える場所に

 JR九州は10月から、無人駅の駅舎をリノベーションして地域活性化に生かす新プロジェクト「ekinico(エキニコ)」を始めました。


「ekinico」ののれんがかかる南久留米駅の出入り口(左)とシェアキッチンのイメージ

 プロジェクト名には「駅に行こう!」「駅でにっこり」という思いを込めているそうです。"nico"は「nexus(つながり・連携)」「illuminare(照らす)」「continuus(継続的な)」「omnis(全ての人)」の頭文字から取りました。

 同社によると、管内にある約600駅のうち6割ほどが無人駅。路線の利用者減少などが背景にあり、無人駅の数は年々増えている状況です。

 1928年12月24日に開業した南久留米駅は、かつて多くの高校生や大学生らが通学で利用していたそうです。しかし、記録が残る2016~23年度の乗車人員は1日300~400人台にとどまり、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあって、22年3月から無人化されました。


JR九州のプロジェクト「ekinico」のイメージ

 ekinicoを企画したのは、駅舎の点検や維持計画を担う同社工務部の建築チームのメンバーです。無人化された駅は人通りの減少に拍車がかかり、駅前がより閑散とした印象になるといいます。そこで、駅に人が集まる仕掛けをつくり、にぎわいを取り戻せないかと考えました。


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曜日ごとに店が替わる

 改装した南久留米駅の旧駅事務室は広さ30平方メートルほど。上水道を整備し直し、IHのコンロや電気オーブン、冷蔵庫などを配置しました。ホームに降りて、改札を抜けたすぐ隣の場所にあり、出来たてグルメの香りが駅舎内に広がります。


シェアキッチンには、地元で人気の味が楽しめる

 「Share Kitchen Minamikurume」で営業する店は曜日ごとに替わり、▽筑後市の手作りハム・ソーセージ専門店「TOBIKATAYA」(月)▽地元素材の無添加パンを販売する八女市の「Olivier Rain」(火・金)▽20種以上のスパイスを使う久留米市のスパイスカレー店「KANADE YAN CURRY」(水)▽タイ料理を中心とする筑後市のアジアンレストラン「AROI」(木)▽久留米市の創作フレンチ店「Restaurant Spoon」(土・日)が出店します。

 各店の出店日は、ekinicoの特設サイトで確認できます。

門出のマルシェを開催

 オープンは、南久留米駅の開業日に合わせました。駅の新たな門出を祝って12月24、25日の11~17時、出店店舗と久留米大の学生チームらによるクリスマスマルシェを駅前で開催します。

 初日は、オープニングイベントとして、長崎県佐世保市にアトリエを構える書家・優和恵さんによる書道パフォーマンスが行われます。優和恵さんは駅舎を飾るekinicoのロゴをデザインし、新しい駅名標も手がけました。


「クリスマスマルシェ at 南久留米駅」のイメージ

 ほかに、焼きマシュマロや焼き芋づくり、まき割りなどの体験も楽しめます。25日は、久留米絣(かすり)の端切れを利用したオーナメント作りのワークショップを久留米大生が開く予定です。

 ekinicoのプロジェクトでは、鹿児島線の荒尾駅(熊本県荒尾市)の一部をコミュニティースペースに改修したり、久大線の筑後吉井駅(福岡県うきは市)にコーヒー専門店を開業したりしてきました。

 JR九州の担当者は「これからも地元の企業や自治体、住民や学生など様々な人と連携して、九州の元気をつくり続けていきたい」と話しています。


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