新感覚「ネオ柚子胡椒」で雇用創出!うきは市の新興企業の挑戦

金子企画が開発した「ネオ柚子胡椒」

記事 INDEX

  • 食べるラー油のように!
  • 自宅キッチンで試行錯誤
  • CF目標金額の8倍の応援

 柚子胡椒(ゆずこしょう)の常識を覆す!?――。新感覚の調味料「ネオ柚子胡椒」が誕生しました。開発したのは、福岡県うきは市の新興企業「金子企画」。代表取締役の金子幸三郎さん(32)は「田舎だからこそ、もうかる事業を創出し、地元の若者を雇用できるように会社を大きくしたい。『ネオ柚子胡椒』はその第一歩」と話します。

食べるラー油のように!

 「うま味のパンチがまず最初に来て、あとから柚子胡椒の味わいが続く感じ。『食べるラー油』のようにパクパク食べられる柚子胡椒です」。金子さんは新商品をそうアピールします。


パクパク食べられる柚子胡椒


 原材料は柚子胡椒で本来使う柚子、唐辛子、塩のほかに、ネギ油やニンニク、煎りごまなどを追加する独自のレシピ。ギョーザやチキンステーキ、インスタントラーメンなど様々なメニューに合い、白米にのせれば”ご飯のお供”にもなるそうです。


ギョーザなどいろいろなメニューに合う


 うきは市出身の金子さんは大学卒業後、東京のIT企業などに勤務しました。コロナ禍でリモートワークになったのを機にUターンし、若者の雇用を生み出して古里に貢献したいとの思いを強くしたといいます。地元で目標をかなえられるビジネスを思案する中で、「食品は共感を得られやすい」と考え、九州・福岡にゆかりがあり、”伸びしろ”を感じた柚子胡椒に着目しました。


ご飯のお供にも


 柚子胡椒に対する消費者の意識を独自に調べてみると、「使い道が少ない」「冷蔵庫に長く残ってしまう」といった声がありました。こうしたマイナス評価を解消するため「料理にたっぷり使える柚子胡椒」を念頭に商品開発を進めることにしました。


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自宅キッチンで試行錯誤

 2023年夏頃から自宅キッチンで試作を開始。材料をグラム単位で加えたり減らしたり、半年以上の試行錯誤を重ねてレシピが完成しました。途中、友人や家族に何度も味見してもらい、意見を聞きながら味をととのえていきました。


金子幸三郎さん


 いろいろな料理に合うように練りに練ったレシピ。とくに意識したのは、地元・福岡のとんこつ味のインスタントラーメンにマッチする風味だったそうです。


インスタントラーメンにもマッチ


 容器のラベルにもこだわっています。食卓がワクワク明るくなるように、ヒップホップやストリートカルチャーをモチーフにしたデザインを採用。福岡の伝統工芸「博多織」をイメージした柄も取り入れ、「福岡を代表する調味料に育ってほしい」との願いを込めました。


デザインにこだわったラベル


CF目標金額の8倍の応援

 開発した商品の発売に向け、食品の企画・販売などを行う「金子企画」を2024年2月に設立。4月24日~5月30日にクラウドファンディング(CF)のサイト「Makuake(マクアケ)」で応援購入を募ると、目標金額の20万円は開始40分ほどで突破。最終的に362人から159万5224円が寄せられ、目標金額の約8倍に達しました。


「福岡を代表する商品に」

 6月11日からECサイトで一般予約を開始。75グラム入りを3個セット2916円、6個セット5832円(いずれも税込み)で販売します。今秋には、福岡県内を中心にポップアップストアなどでの販売も視野に入れています。

 金子さんは「多くの人の応援を力に、福岡を代表する商品になるよう頑張っていきたい」と意気込んでいます。



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