コロナに負けず心を一つに 宇美町の町制施行100周年をみんなで盛り上げよう!
記事 INDEX
福岡県宇美町は10月20日、町制施行100周年を迎えます。町は3年前に専門部署を設け、記念式典や様々な行事の準備を進めてきましたが、新型コロナウイルスの影響で主要事業のほとんどが中止・延期を余儀なくされました。節目の日まで1か月を切り、逆風下での盛り上げに懸命です。
町制100年の節目に吹く逆風
1888年(明治21年)に四つの村が合併して宇美村が発足。1920年(大正9年)の10月20日に町制を施行し、現在の宇美町になりました。
町は100周年を「町の魅力を発信し、郷土愛をはぐくむ契機」と位置付け、2017年に早くも「町制施行100周年事業推進事務局」を設置しました。2020年1月~21年3月の15か月を記念事業期間とし、800人規模の記念式典や町民提案のイベントなど71の事業を計画。20年度だけで8000万円超の予算を組む力の入れようでした。
しかし、コロナ禍で状況は一変し、人が集まる事業は次々と中止・延期に。記念日から約2週間をスペシャルウィークとし、主要事業と記念式典を集中させていましたが、1事業を除き、式典を含むほとんどを打ち切らざるを得ませんでした。
「感染拡大のリスクを考え、勇気を持って早期に撤退を決断しました」と事務局の安川茂伸局長。ただ、「縮小傾向の中でもできることはある」と、担当職員らは奔走しています。
カウントダウンで心を一つに
100日前から毎日、町のホームページでカウントダウンの画像を掲載。町の呼びかけに、開校50周年の小学校が50日前、創業45周年の商店が45日前を担うなど、多くの学校や団体が工夫を凝らした画像で応えました。
宇美町出身で、プロ野球・北海道日本ハムで選手会長を務める中島卓也さんが背番号にちなんで9日前、ヤクルトで背番号5を着けて活躍した角冨士夫さんが5日前に登場し、盛り上げに一役買います。
また、多くの事業の中止を決める一方で、3密を避けられる事業については積極的に展開しています。節目の年に生まれた新生児へ百日祝いの木製スプーン贈呈、ポスターコンクール、ミニバイクのご当地ナンバーデザインの公募などを実施しました。
6月に「100周年記念マンホールカード」の配布を役場限定で始めたところ、新潟、石川、千葉、兵庫県や東京都など県内外から受け取りに訪れる人気になっています。
当日は誕生イベントでお祝い
10月20日には、スペシャルウィークで唯一残ったバースデーイベントを、町のシンボルである宇美八幡宮で開きます。参加人数は絞り込みますが、町内八つの小中学校と八幡宮をリモートで結び、子どもたちが夢を記したカードや花の種を付けた風船を、同時刻に一斉に空に放つことにしています。
町民提案のイベントは半数以上が中止に。事務局は2020年度で解散しますが、安川局長は「『東京五輪のように、1年遅れで盛り上がろう』という声もあります。100周年記念の枠組みから外れたとしても、町民の思いが詰まった事業をどこかで形にできないか、検討していきます」と話しています。