記録更新へ加速!九州工業大学の新しいレーシングカーが完成

九州工業大チームが学生フォーミュラ日本大会に向けて製作したレーシングカー

 レーシングカーの開発に学生主体で企画・設計から取り組む九州工業大学のフォーミュラチーム「KIT-FORMULA」(約60人)が、愛知県で9月に開かれる「学生フォーミュラ日本大会」に挑む新しいマシンを完成させた。2005年の初出場から改良を重ねて21台目。チームは過去最高成績となる7位以上を目指すと意気込んでいる。

改良重ねて21台目

 同大会は、自動車技術分野で活躍を目指す学生たちにものづくりの面白さや厳しさを実感してもらおうと公益社団法人「自動車技術会」(東京)が03年から年1回開催。米国で1981年に始まった大会の日本版で、同様の大会は世界各国で開催されている。

 大会では、参加チームはレーシングカーを開発するベンチャー企業という想定。マシンは、大会ごとに企画から作り上げることが条件で、タイムや加速性、燃費といった走行性能だけでなく、量産化を念頭においた製造コスト、販売のためのプレゼンテーション能力なども審査対象となり、自動車開発の現場で必要となる総合力を競う。


約8か月かけて完成させた


 5月16日に北九州市戸畑区の同大戸畑キャンパスであった発表会でお披露目された今年のマシンは、カワサキモータース製のバイクエンジンを採用。学生たちが企画を説明して獲得したスポンサーは約70社に上り、資金や部品提供などで協力を得て約8か月かけて完成にこぎ着けた。


「意志が宿る一台」

 昨年の大会ではコストやデザインなどの「静的審査」項目で高スコアを獲得した一方、旋回性能や燃費など「動的審査」項目で課題が残り、総合成績は80チーム中9位。今年は昨年のマシンを使って徹底的に収集した実測データを分析して改善点を洗い出し、コーナリング時の車体への負荷に対する強度などを向上させることでコントロール性能を重視した設計とした。


「意志が宿る一台」で上位を狙う


 ドライバーも務める同チームプロジェクトマネジャーで同大大学院1年の曽我井天信さん(22)は「コンセプトは『意志が宿る一台』。チームの順位は年々上がっているので、車両の性能を引き出してさらに上位に食い込みたい」と力を込める。


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