無線操縦が可能に! 九州工業大学が新型海中ロボットを開発
進水する海中ロボット「Mega Bee」
九州工業大学(北九州市)が開発し、電波通信による遠隔操縦が可能な新型海中ロボット「Mega Bee(メガビー)」が4月10日、報道陣らにお披露目された。同大によると、電波通信が困難とされる海中で、無線による動画のリアルタイム伝送や遠隔操縦を実現した世界最先端のロボット。5~10年での実用化を目指している。
北九州市・若松で進水式
北九州市若松区の脇田漁港で10日、進水式が行われた。関係者が見守る中、箱形(幅75センチ、奥行き130センチ、高さ88センチ)で、重さ300キロのメガビーがクレーンによってゆっくりと海中に下ろされていった。
高解像度の水中カメラを搭載。今回は有線式ではあったが、開発者たちが実際の操縦の手順や動画伝送を試していた。
メガビーの最大の特徴は、ケーブルを必要としない無線式でありながら、海中でのリアルタイムの操縦や動画伝送が可能なことだ。
電波は海中で激しく減衰する性質があり、これまでケーブルを用いない海中ロボットといえば、音波による音響通信を用いたものや、プログラミングで自律航行するものが実用化されているという。
その音響通信は、通信速度が陸上の1000分の1以下にとどまり画像の伝送などに長時間がかかり、自律航行はプログラム通りにしか動けず、回収できないリスクが高いことが課題だった。
海中での高速通信を実現
メガビーは、電波の周波数を下げ、通信経路を増加させるといった技術で海中での高速通信を実現した。
ただ、遠隔操縦の距離に制限があり、海底アンテナの設置が必要。現時点ではアンテナから25メートルほどの範囲で操縦可能という。
このため、一定範囲での活動に適しており、洋上風力発電設備や養殖網の定期検査、海底のレアアース採掘などが期待される。
1台あたり、部品代だけで約8000万円と高額でもある。今後は同大が調査などを請け負う形で実用化を目指すという。
同大の西田祐也・未来社会ロボット実装センター長は「水中ロボット業界は米国と中国が進んでいるが、今回のロボットは電波を用いた世界トップクラスの安定性を実現している。九工大から業界を盛り上げていきたい」と語った。







