警察官直伝の究極の護身術とは 福岡空港で性犯罪被害防止の講習会
記事 INDEX
- 空港で初めての大規模講習会
- 警察官が説く究極の護身術とは
- 「日頃から自己防衛の意識を」
女性に性犯罪から身を守る方法を学んでもらおうと、福岡県警福岡空港署は大規模な護身術講習会を空港で初めて開きました。福岡空港では数千人の女性が働き、夜間に帰宅する人も多いことから、とっさに役立つ動きを覚えてもらうために企画しました。
人影まばらな国際線ターミナルで
講習会は10月21日、新型コロナウイルスの影響でほとんどの便が運休している国際線ターミナルで行われました。航空会社の地上スタッフや税関職員など約100人が参加しました。
福岡県警によると、昨年の福岡県内の性犯罪認知件数は321件、今年は上半期で105件を数えます。コンビニや駅から後をつけられ、マンションのエントランスで襲われたり、SNSやマッチングアプリで知り合った人から無理やり乱暴されたりする事案が目立つそうです。
警察官が説く究極の護身術とは
講習会では、福岡県警犯罪抑止対策室の警察官が、「オートロック式マンションだから」と安心して鍵をかけずに自宅に侵入された事例を説明。「玄関に男性ものの靴や傘を置くことも不審者の侵入抑止につながります。毎日のように被害が発生していますので、性犯罪を許さないという意識を高めていきましょう」と呼びかけました。
その後、参加者は県警教養課の警察官から護身術の指導を受け、手をつかまれた時は腕をひねりながら引き離すことや、背後から抱きつかれた時はあごを下げて相手の腕が首に掛からないようにしながら素早く片方の足を後ろに引いて身をかわすなどの対処法を実践しました。
記者も体験しました。背後から襲われたという想定で、首に腕がまわっていますが、あごを素早く引かないと、首を絞められてしまいます。日頃から対処法を意識していないと、万一の時に危険を回避できないと身をもって学びました。
警察官が指導の後に教えてくれました。「危険なところに近づかない。危険を避ける。護身術を必要としない状況に身を置くことが、究極の護身術です」
「日頃から自己防衛の意識を」
講習会に参加した地上勤務の女性は「遅番の日は暗い夜道を歩いて帰宅するので、警察官からじかに護身術を教えてもらえ、ためになりました」と話していました。
福岡国際空港の桜木雅仁副社長は「空港で働く皆さんの安心安全が空港運営の前提です」と強調。福岡空港署の梅津誠・生活安全刑事課長は「性犯罪は心にも深い傷を残します。空港で働く女性は夜遅くに帰宅することもあるでしょうから、護身術をいざという時の自己防衛に役立ててほしい」と求めました。