地域が支える「朝勉&朝弁」が古賀東中学校で再開! 生徒たちに笑顔もどる
記事 INDEX
- 自習の後にみんなで朝食
- 地域も参加するPTCA活動
- 地元の支えに「ありがたい」
福岡県古賀市の市立古賀東中学校で、新型コロナウイルスの影響により3月から中断していた「朝勉&朝弁」が再開されました。早朝の学校で勉強した後、地元の農家などから提供された食材によるおにぎりとスープを食べる同校独自の取り組みです。
地域も一丸「PTCA」の取り組み
「子どもに学習の習慣をつけさせたい」という保護者の声から2013年、同校PTCAが始めました。PTCAとは、PTAに地域(community)を加えた取り組みです。
毎週月曜と水曜、定期テスト前の1週間は、希望者が始業前の午前7時30分に登校し、学習室などで自習します。当初は勉強だけでしたが、自宅で朝食をとらずに登校し、元気の出ない生徒がいたため、保護者の発案で温かいおにぎりとスープを用意することになりました。
米やスープの具材は、地域の農家のほかに卒業生の保護者らも協力し、無償で提供しています。おにぎりは校区内の農産物加工所に1個30円で作ってもらい、費用は歴代のPTCA役員や、かつて同校に勤務した教職員らの寄付で賄います。おにぎりが余ると、教職員が同額で購入し、代金を運営費に充てています。
周囲に感謝する気持ちも育む
今回の「朝勉&朝弁」は11月9~11日、後期の中間テストに合わせて試験的に再開し、それぞれ92~97人が集まりました。
2年の弓指亜子さんは「分からないところは先生に教えてもらえるし、テストの点数も上がりました。『収穫したから』とミカンや桃のデザートが出る時もあります。地元の人たちに支えてもらって本当にありがたいです」と笑顔を見せました。
発起人の一人で、卒業生の保護者の坂崎隆一さんは「勉強だけでなく、早起きや朝食の習慣にもつながります」と話します。当初から小松菜を提供している農家の青柳穣司さんは「食べてもらえることがうれしい。『もういらない』と言われるまで、やめられそうもありません」と、生徒らの姿に目を細めていました。